(※画像はイメージです/PIXTA)

せっかくクリニックを開業しても、集患できずに経営危機に陥るケースがあります。原因はどこもほとんど同じで、まず考えられるのが立地の選択ミスです。その場合、リカバリー策はあるのでしょうか。自身もクリニックを経営する医師であり、数多くのクリニックのコンサルティングを行ってきた蓮池林太郎氏が解説します。

集患の相談は多いが、たいてい原因は共通していて…

昔は医療機関が相対的に少なかったこともあり、どこでクリニックを開業しても繁盛していました。

 

様々な要因があるでしょうが、自己負担割合の増加による受診抑制や、医師が増えクリニックも増え続けたことにより、現在では、クリニックを開業しても繁盛せず閑古鳥が鳴いているクリニックも珍しくなくなりました。

 

筆者はクリニック経営においてコンサルティングを行っており、新規開業したものの患者さんが少なく経営がうまくいっておらず、集患の相談を受けることがあります。とくに都市部のクリニック激戦区において多い相談です。

 

エリアも科目も異なる様々なクリニックを支援してきましたが、新規患者さんが少ないクリニックの共通点があります。それは「立地選びを間違えている」という点にあります。

 

「立地選びを間違えている」というのはどういうことでしょうか? 詳しく考えていきましょう。

 

新規患者さんは主に通りがかり、ネット、口コミの3つの来院経路により、クリニックを受診します。

 

 通りがかり 

クリニックの前を通りかかることにより、クリニックの備え付け看板や外観を見て、クリニックの存在を知ります。そして、体調不良になったときに、クリニックを思い出してクリニックを受診します。

 

 ネット 

スマホやパソコンでネットで「地域名+科目名」などのキーワードで検索して、いくつかのクリニックを比較検討して受診するクリニックを選びます。ちなみに、通りがかりで来院される患者さんよりも遠方から訪れる傾向にあります。

 

 口コミ 

病院を探す際に、家族や友人などから評判がいいクリニックを教えてもらって、もしくは教えてもらったことを思い出して受診します。ネット上での口コミを参考にすることもあります。

 

「口コミで新規患者さんが来るから、通りがかりやネットに頼らなくても大丈夫」という開業志望の医師もいます。

 

しかし、口コミというのは通りがかりやネット経由で一度来院したことがある患者さんが口コミするものなので、新規開業しても通りがかりやネットでの来院がない場合には、口コミはなかなか見込めないということになります。

 

落下傘開業における当初の来院経路は、ほぼ通りがかりとネットのみといえるでしょう。

開業場所を決めると、おのずと「競合」も決まってくる

よほどの人口密度が少ない地域を除き、同じ地域には必ず同科目の競合がいます。

 

開業場所が決まれば、必然的に競合が決定します。

 

競合との距離が近く主に通りがかりで知った患者さんに影響を与える競合クリニックと、ネットが強く主にネットで病院を探している患者さんに影響を与えるクリニックに分けることもできます。

 

通りがかりでもネットであってもできるだけ競合が強くない方がいいということになります。

 

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