(※画像はイメージです/PIXTA)

灘高時代、同級生のひとりが優秀な生徒の数学のノートを編集したものをコピーして同級生に売り始めた。しばらくしてコピーを売っていた同級生の数学の成績が飛躍的に伸びた。そこで和田秀樹氏はコピーを買って、そこに載っている解法をひたすら覚えることに注力した。しばらくすると、学校の成績だけでなく、模擬試験の数学の成績もどんどん上昇していったという。なぜなのか。※本連載は、和田秀樹氏の著書『公立・私立中堅校から東大に入る本』(大和書房、2019年2月刊)より一部を抜粋・再編集したものです。

暗記数学とは「定石」を覚えるようなもの

するとどうでしょう。

 

中間テストや期末テストの成績がみるみる上がってきて、満点もめずらしくなくなったのです。

 

とはいえ、ここまでは自分でも想定はしていました。学校のテストでは授業でやったのと同じような問題が出るわけですから、優等生のノートで解法を覚えておけば、成績が上がるのも当然だろう、と。

 

解法を覚えたことで、解法パターンが身につき、それを応用することでいろいろな問題に対応する力がつくという。(※写真はイメージです/PIXTA)
解法を覚えたことで、解法パターンが身につき、それを応用することでいろいろな問題に対応する力がつくという。(※写真はイメージです/PIXTA)

 

しかし、しばらくすると、模擬試験の数学の成績もどんどん上昇していったのです。

 

解法を覚えたことで、解法パターンが身につき、それを応用することでいろいろな問題に対応する力がついていたのです。

 

ここにきて、私は「解法パターンを暗記すれば、数学の成績は上がる」という事実に気づきました。それ以降は、これまで試験範囲でなかったので覚えていなかった単元についても「チャート式」の解法を頭からひたすら暗記し、解法パターンを身につけることに注力するようになりました。

 

結果として、高2の初めくらいから数学の実力が急成長し、高3になると、もはや数学は得意科目だと胸を張れるくらいになっていました。

 

高3になってからの模試では、数学でかなりよい点数をコンスタントにたたき出せるようになったのです。

 

暗記数学とは、囲碁で言うところの「定石」を覚えるようなものです。

 

定石をたくさん覚えると、頭の中でさまざまなシミュレーションができるので、囲碁の実力が上がります。

 

数学の問題も、定石の組み合わせで解けるようにできています。いくつもの解法を組み合わせれば、自然に答えを導き出すことが可能です。

 

東大入試も、解法の暗記(とその組み合わせ)だけで少なくとも半分の問題は確実に解けるようになるのです。

 

■解法は500~600パターン覚えればOK

 

「なぜそのような式になるか」を理解する

 

先ほど、ごく簡単な計算例で説明しましたが、ベクトルや数列、微分・積分でも解法のパターンを身につければ、似たような問題が解けるようになります。

 

高校レベルの数学では「なぜそのような式に変形するのか」を理解しておく必要があります。解法の流れをきちんと理解できていないと、機械的に丸暗記しなければならなくなり、事実上不可能です。

 

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公立・私立中堅校から東大に入る本

公立・私立中堅校から東大に入る本

和田 秀樹

大和書房

教育書を多数執筆し、多くがベストセラーになっている実績をもつ和田秀樹氏の渾身の書。 2020年の入試改革への備えにもふれ、具体的なノウハウを数多く入れた。 いわゆる「地頭のいい子」でなくとも、東大を目指せる、合…

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