暗記数学とは「定石」を覚えるようなもの
するとどうでしょう。
中間テストや期末テストの成績がみるみる上がってきて、満点もめずらしくなくなったのです。
とはいえ、ここまでは自分でも想定はしていました。学校のテストでは授業でやったのと同じような問題が出るわけですから、優等生のノートで解法を覚えておけば、成績が上がるのも当然だろう、と。
しかし、しばらくすると、模擬試験の数学の成績もどんどん上昇していったのです。
解法を覚えたことで、解法パターンが身につき、それを応用することでいろいろな問題に対応する力がついていたのです。
ここにきて、私は「解法パターンを暗記すれば、数学の成績は上がる」という事実に気づきました。それ以降は、これまで試験範囲でなかったので覚えていなかった単元についても「チャート式」の解法を頭からひたすら暗記し、解法パターンを身につけることに注力するようになりました。
結果として、高2の初めくらいから数学の実力が急成長し、高3になると、もはや数学は得意科目だと胸を張れるくらいになっていました。
高3になってからの模試では、数学でかなりよい点数をコンスタントにたたき出せるようになったのです。
暗記数学とは、囲碁で言うところの「定石」を覚えるようなものです。
定石をたくさん覚えると、頭の中でさまざまなシミュレーションができるので、囲碁の実力が上がります。
数学の問題も、定石の組み合わせで解けるようにできています。いくつもの解法を組み合わせれば、自然に答えを導き出すことが可能です。
東大入試も、解法の暗記(とその組み合わせ)だけで少なくとも半分の問題は確実に解けるようになるのです。
■解法は500~600パターン覚えればOK
「なぜそのような式になるか」を理解する
先ほど、ごく簡単な計算例で説明しましたが、ベクトルや数列、微分・積分でも解法のパターンを身につければ、似たような問題が解けるようになります。
高校レベルの数学では「なぜそのような式に変形するのか」を理解しておく必要があります。解法の流れをきちんと理解できていないと、機械的に丸暗記しなければならなくなり、事実上不可能です。