一般社団法人フィリピン・アセットコンサルティングのエグゼクティブディレクターである家村均氏が、フィリピン株式市場の最新トピックスを解説する本レポート。今回は株式市場が強気相場になることを見据えて、注目すべき企業をセクター別に見ていきます。
新型コロナの影響が大きい「不動産業」は?
■不動産業
最後に、コロナによるショッピングモールの営業短縮・閉鎖あるいはリモートワークの普及によるオフィス需要の減退など大きなダメージを受けた不動産セクターを見ていきます。
不動産事業は、オフィス、コンドミニアム、郊外土地付き戸建、ショッピングモール、物流施設、工業団地などカテゴリー分けされ、それぞれのカテゴリーでコロナの影響が異なります。その中で、幅広い価格帯の戸建分譲住宅の開発・販売を中心に事業展開しているのが「ビスタランド」です。また比較的不動産の各カテゴリーにバランスよくポートフォリオを組んでいるのが「ロビンソンランド」です。
ローカル向けの郊外の戸建分譲については、フィリピンでは慢性的な住宅不足となっているため、コロナでも他のカテゴリーに比べ堅調でした。コロナ後は景気刺激策の一貫としての住宅ローンの供給増や人の動きが戻ることによる内覧件数の増加などで同社の業績は大きく伸びると考えられます。コロナ後のショッピングモールのリカバーは言うまでもありません。
両社ともに他の大手ディベロッパーと比較して株価が割安に放置されているため、コロナ後の値上がり期待が高い銘柄です。
一般社団法人フィリピン・アセットコンサルティング
エグゼクティブディレクター
慶応義塾大学経済学部卒業後、東急電鉄に入社し、海外事業部にて、米国・豪州・ニュージーランド・東南アジアなどで不動産開発や事業再構築業務に従事。また、経営企画部門にて東急グループの流通・メデイア部門の子会社・関連会社の経営・財務管理を実施した。(約15年)
その後は、コンサルティングファーム(アクセンチュア・ユニシス)や投資ファンド(三菱UFJキャピタル)などで、企業や自治体の事業再構築、事業民営化等の支援や国内外のM&A案件のアドバイザリーを実施。現在、一般社団法人フィリピン・アセットコンサルティングにて、日本他の投資家および企業、ファンドなどに対してフィリピン不動産の販売やフィリピンへの事業進出のアドバイスを行っている
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