世界的にも弱含みな株式市場…フィリピン株式市場は?
新型コロナの蔓延、アメリカFRBのテーパリング観測などで世界的に株式市場は弱含みになっているなか、フィリピン株も軟調な展開で、PSEi(フィリピン総合指数)は、6,600レベルまで低下しました。8月の重要イベント、8/2 製造業PMI、8/3失業率、8/5インフレ率 、8/6 貿易収支 8/10 GDPと企業収益の数字を投資家は注視しています。
このような状況下で、フィリピン株式市場の各セクターごとの動向とその中でも今後市場が強気反転したときに上昇が期待できる銘柄を見ていきましょう。
コロナ後を見据えて…セクター別、注目すべき企業
■財閥系
まずフィリピン経済そのものとも言え、傘下に基幹産業のほとんどを有する財閥セクターについて見ていきます。こちらは、傘下に銀行、不動産、インフラ、エネルギー、製造業などがあり、どれも人や物の動きが回復するに連れて事業収益も回復するという形になります。
しかし、会社によって株価の割安感が違います。今後の収益予想や過去のバリュエーションなどをベースにABキャピタル証券が算出しているTarget Priceと比較して、40%程度アップサイドがあると見られているのが「アライアンスグローバル」です。同社の傘下には、シンガポール上場を予定している酒類メーカー「エンペラドール」、大手不動産ディベロッパーでオフィス開発に強みを持つ「メガワールド」、カジノを運営する「リゾートワールド」、そしてフィリピンでのマクドナルドの運営などを行なっており、コロナ後の恩恵を享受できる会社が多いのが特徴です
■小売業
次にコロナ後の株価回復期待が大きいのが、小売セクターですが、その中でもアップサイド期待が高いのが、「ロビンソンズリーテール(RRHI)」です40%程度の株価上昇期待があります。同社は、デパート、スーパーマーケットをはじめ日本ブランドのコンビニ(ミニストップ)やダイソー、さらには玩具チェーン・トイザラスのフランチャイズ展開など幅広く小売事業を展開しています。今後は特にコロナの影響の大きかったデパートなどの収益回復が大きく回復してくることが予想されます。
■銀行業
続いて回復が出遅れ気味なのが、銀行セクターです。銀行は、言うまでもなく、経済全体に資金を供給していますので、マクロ経済の回復が重要になります。そういった意味では、やはりアフターコロナに収益が大きく回復しることが予想できます。銀行セクターの中でも、株価上昇期待が高いのが、「フィリピンナショナル銀行(PNB)」です。HSBCからきたCEOの元、大規模な事業改革に取り組んでいて、デジタル化投資の加速、保有資産のリストラクチャリングなどポジティブニュースが目につきます。
■発電・エネルギー業
発電・エネルギーセクターですが、注目は「アボイティスパワー」と「FGEN」です。共にコロナ後の本格経済回復とフィリピンにおける慢性的な電力不足、そして世界的なクリーンエネルギーシフトという大きな潮流に乗って成長が期待できる企業です。共に現在25%程度の割安感があると見られています。
■ゲーミング産業
ゲーミングセクターといえば、カジノです。フィリピンは、アジアではマカオと並ぶカジノ大国です。現在は、日本、中国などからのインバウンドツーリストがほぼ消滅している状況ですので、当然事業環境はとても厳しいことは言うまでもありませんが、マニラベイエリアの巨大カジノ・ソレラを運営する「ブルームベリー」は、やはりコロナ後の大きなリバウンドが期待される銘柄ではないでしょうか。30%程度の値上がりが期待されます。