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グローバルマクロ型のESGヘッジファンドが注目する点
そこで、グローバルマクロ型のESGヘッジファンドが日本で注目しているポイントを4つ紹介した上で、ESGロングショート戦略のアイデアについて紹介する。
1. ESGにおいて欧米に劣後している日本では、今後、改訂版コーポレートガバナンス・コードなどを通じて、ESG項目の企業側のクオリティの向上やその優劣の顕在化が中長期的に期待できる。つまり、企業側の情報開示姿勢や情報開示の質向上などを通じた、全般的なESGクオリティの底上げとともに、企業間のプレミアム/ディスカウントの拡大が期待できる。
2. 欧米の機関投資家と比較し、日本の機関投資家はESG項目を取り込み始めた段階にあるとみられ、投資家側のレベル向上や企業への段階的な働きかけにより、ESGのクオリティやその優劣の顕在化が中長期的に期待できる。つまり、投資家側のESG評価のクオリティ向上に加え、ESGの判断に基づく売買などの需給面や建設的な対話を通じて、投資先のESGのプレミアム/ディスカウントの拡大が期待できる。
3. 「三方よし」や「助け合い」の精神など、そもそも日本の歴史や国民性などを踏まえれば、他国と比較してESGとの親和性がより高い可能性があり、グローバルでの質の高い成長ポテンシャルが期待できる。業績グロースというよりは、「ESGクオリティ×グロース」が期待できる。
4. ESG項目はまだ概ね「モザイク情報」としてみなされているからこそ、合法的な早耳・取材情報によるロング/ショート型のESGショートターミズム戦略が、投資パフォーマンス(=α)の源泉になる可能性がある。
現時点のESG項目の捉え方としては、他の情報と組み合わせることによって投資判断に影響を及ぼしうるものの、その情報だけでは直ちに投資判断に影響を及ぼすとは言えない「モザイク情報」であって、「重要情報」とはみなされていない(日本IR協議会の見解等を参照)。
そのため、「フェア・ディスクロージャー・ルール」の重要情報に抵触せず、ESG項目のみを早耳情報的に個別の取材により取得し、未公表情報として自らの売買につなげることは特に規制されていないと言える。ここに投資パフォーマンス(=α)の源泉があるとの見方をしているヘッジファンドもあるようだ。
■まとめ
以上の注目ポイントを投資アイデアに活かすと、1.~3.は、ESGファクターに基づく売買や、国や個別企業のESGのプレミアム/ディスカウントの拡大に基づくロングショート戦略のアイデアにつながる。
また、4.は、水と油としての意味合いが強いESGショートターミズム(=短期志向)によるロングショートのα獲得戦略のアイデアが構築できるといえる。
さらに、これ以外にも日本市場や日本株の独自性を活かしたESGのロングショートアイデアは多様に構築できると思われ、最終的に自分の投資理念や時間軸、リスク・リターンなどに合ったヘッジファンドを選択し、ポートフォリオに組み込むことが重要であろう。
中村 貴司
東海東京調査センター
投資戦略部 シニアストラテジスト(オルタナティブ投資戦略担当)
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