不動産オーナー「不利なサブリース契約」回避のための注意点 (※写真はイメージです/PIXTA)

あまりのトラブルの多さから、一時は社会問題にもなったアパートやマンションのサブリース契約。新法が制定されるなどオーナーを守る動きも見えていますが、それでも不利な条件を飲まされないよう、契約するにあたっては細心の注意が必要です。日本橋中央法律事務所の山口明弁護士が専門家の見地から詳しく解説します。

重要事項の説明を受けた当日の契約締結は避ける

投資用ワンルームマンションなどはサブリース契約を締結している事例が多く存在しますが、サブリース契約は、家賃保証等の契約条件の誤認を原因とするトラブルが多発し、社会問題化※1したことから、賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律(以下「サブリース新法」といいます)が成立し、施行されることになりました。

 

※1 国土交通省「賃貸住宅管理業務等の適正化に関する法律(概要版)より。

 

ここでは、サブリース契約における契約条件のトラブルをできる限り避けるため、契約を締結する際に注意・確認すべきポイントを、サブリース新法の内容も踏まえながら説明します。

 

まず、サブリース業者は、サブリース契約を締結しようとするときは、契約を締結するまでに、一定の重要な事項について、書面を交付して説明しなければなりません(サブリース新法30条)。この説明は、「契約内容とリスク事項を十分に理解した上で契約を締結できるよう、説明から契約締結までに1週間程度の期間をおくことが望ましい」※2とされています。

 

※2 国土交通省「賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律の解釈・運用の考え方」16頁より。

 

あくまで「望ましい」とされていることから、説明から契約締結までに必ず1週間程度の期間をおく義務があるわけではありません。しかし、契約締結までにリスク等を熟慮する時間が一定の期間あったほうがよいことは間違いありません。

 

したがって、重要事項の説明を受けた日にすぐに契約締結することはなるべく避けるべきでしょうし、サブリース業者が説明後すぐにその場で契約締結を求めてくるような場合には、慎重な対応を検討したほうがよいかもしれません。

注目すべきは体験談ではなく、契約内容とリスク

また、サブリース契約に係る広告においては、一定の事項について、著しく事実に相違する表示をし、または実際のものよりも著しく優良であり、若しくは有利であると人を誤認させるような表示をすることが禁じられています(サブリース新法28条)。

 

例えば、①「国土交通省としましては、『○○保証』などの表記は打消し表示をしていたとしても、無用な疑義や誤解を招きトラブルに繋がる可能性があることから、表記の修正を推奨しております」(国土交通省の「賃貸住宅管理業法 FAQ集(令和3年4月23日時点版)」15頁)との記載があり、②また、体験談を用いることは、体験談とは異なる賃貸住宅経営の実績となっている事例が一定数存在する場合には、28条違反となる可能性がある(上記FAQ集15頁参照)などとされています。したがって、「○○保証」という表示や「体験談」などの記載を鵜呑みにするのではなく、しっかりと契約内容を理解した上で、リスク等を検証していくべきでしょう。

 

さらに、サブリース業者がサブリース契約の締結の勧誘をするにあたっては、不当な勧誘等が禁止されています(サブリース新法29条)。例えば、相手方等に迷惑を覚えさせるような時間の電話や訪問勧誘(サブリース新法規則44条1号)や、契約を締結又は更新しない意思を表示した相手方等への執拗な勧誘(同条4号)も禁止されています。そのため、これに違反するようなサブリース業者との取引については、慎重な対応を検討すべきです。

 

 

日本橋中央法律事務所 弁護士

2005年弁護士登録、東京弁護士会所属。2005年から2011年に片岡総合法律事務所、2011年から2016年に野田総合法律事務所(パートナー弁護士)を経て、2016年に日本橋中央法律事務所を開設して現在に至る。特に、金融に関わる法務、不動産に関わる法務及び信託に関わる法務を得意にしている。

《日本橋中央法律事務所》
ウェブサイト:http://nihonbashi-chuo.com/
note:https://note.com/nihonbashi_chuo/

著者紹介

連載相続・不動産に詳しい弁護士が解説!経営者の相続トラブル事例

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