社会人の学び直しの必要性はこれまでも提唱されてきたものです。しかし、十分に浸透してこなかった最大の障害は企業の姿勢かもしれません。
終身雇用や年功序列の社会風土だけが残り、仕事のキャリアアップを望んでも、キャリアチェンジを望まない土壌が存在していたからです。こうした雰囲気の職場で、仕事の忙しさのために、さらには家事・育児・介護の忙しさのために、学び直しの余裕などなかったのです。
しかし、政府の大号令の下、残業時間削減の動きが出始めています。大手企業でも副業を解禁するなどの変化の兆しが見え、確かに社会の潮流が変わろうとしています。長い100年人生に向けて、男女ともぜひ学び直し学習をしてください。単に目先の仕事だけが目的ではありません。生涯学習の意味でも、日々の生活に生きがいと幸せをもたらしてくれます。
たとえば夫が学び直しのために、一旦離職して自宅からの学習になるなら、どうでしょうか、妻が仕事に出て稼ぎ頭になり、夫が家事・育児・介護を分担するなど、一度試すのもいいかもしれません。
そして、逆に妻が学び直しで自宅を空けるなら、今度は夫が少しでも妻の役割を受け持ってみてはどうでしょうか。ぜひ、奥様の学習チャンスを応援してください。
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清水 一郎
おひさまクリニックセンター北 院長
医学博士。性差医療専門医。大阪府出身。愛媛大学医学部卒業。
米国ペンシルバニア大学医学部博士研究員、徳島大学大学院消化器内科准教授、聖隷横浜病院消化器内科部長などを経て、現在、おひさまクリニックセンター北院長。1998年日本消化器病学会奨励賞、1999年Liver Forum in Kyoto研究奨励賞を受賞。
著書に、『女性肝臓学入門』『老いない美人 女性ホルモンできれいになる!』(以上、西村書店)、『患者だった医師が教える糖尿病が消える「ちょっとした」キッカケ16』(幻冬舎ルネッサンス)、『ストップthe熟年離婚』(幻冬舎MC)などがある。
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