上値の長いヒゲは売り、下値の長いヒゲは買い
そう、名人であっても欲を出したらおしまいです。常に、冷静に見ることが大切です。
その方法として、やはりチャートをもとに客観的に株価を見る必要があります。
以下に、その拠り所になる基準を示してみました。
◆高値を更新、安値を更新
年初来高値、安値に限らず、チャート上で目安となる高値、安値を更新したときは相場のポイントになるので、そこが攻防の分岐点になることが少なくありません。
高値を更新すれば、さらなる上値に、反対に安値を更新すれば、下値に進むことが多く、高値更新の際のカラ売りは見送り、安値を更新すれば買い戻すのを待ちましょう。トレンドラインも同じ解釈です。
逆に、高値や上値のトレンドラインに届かずに下押し、または届いても、すぐに下がるようならカラ売りの絶好のチャンス。反対に安値で下げ止まったときは買い戻しのチャンスになります。
◆移動平均線から大幅にかい離
移動平均線には、ごく目先の短期間のトレンドを探る5日線、中期的なトレンドを探る25日線や75日線、長期的なトレンドを探る200日線が主なものです。
このうち5日線は期間が短い分、イレギュラー的な動きに対処できずに信頼感が乏しく、75日線、200日線は期間が長いために短期勝負であるカラ売りのツールに向きません。
ここでは、25日線からどれくらい、上方、下方から離れて上昇、または下落したかで判断します。10%以上も離れる(かい離)ようであれば、上げ、下げともにいき過ぎ。やがて修正がくるため、上方ではカラ売り、下方では買い戻しの場面となりそうです。
◆ローソク足のヒゲが長い
日々のローソク足で、長い上ヒゲや下ヒゲを引いたときは要注意です。長い上ヒゲは、上値が重いことを示しており、下げに転じるサインになる可能性が高くなります。
反対に、急落相場のときに引く下ヒゲは、下値で買い勢力が強まったことを示すため、下げ続けていた銘柄であれば底入れとなるケースが多いのです。
上値の長いヒゲは売り、下値の長いヒゲは買い──単純にそう記憶しておくだけで、投資の成績は上がると思います。
以上、チャートのポイントに関して解説しましたが、ここに挙げたのはごく基本のものばかり。冷静に相場を見るために、チャートをしっかり学んでおきましょう。そうすることで、「まだはもう、もうはまだ」の症候群から脱皮できるでしょう。
雨宮京子
雨宮総研代表
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