(※写真はイメージです/PIXTA)

緊急事態宣言の東京都では新型コロナウイルスの感染拡大が続いています。ワクチン接種はなかなか進まず、経済活動の正常化が一段と遅れるとの見方もあり、日経平均は上値が重い展開が続いています。今後の株価はどう動いていくのか。「株のお姉さん」として親しまれる雨宮京子氏が株価が下落相場でもあなたの資産を守り、逆に増やすという「株の売り方」の極意を明らかにします。本連載は雨宮京子著『世界一わかりやすい株の売り方』(フォレスト出版)より抜粋し、再編集したものです。

「日経平均レバレッジETF」をカラ売りする裏技と

ちょっとしたカラ売りの裏ワザを解説しましょう。それはETFのカラ売りです。主なETFには以下のようなものがあります。

 

日経平均株価が上昇すれば、上昇した分利益が出る

「日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信ETF=日経レバ」(1570)

 

「日経平均レバレッジETF(=日経レバ)」は、市場での売買代金もかなり多く、ランキング上位に載るなど、よく知られている銘柄で、個人投資家が保有していることも多いETFです。

 

レバレッジとあるように、日経平均株価の通常の価格よりも大きく変動するのが特徴。日経平均の変動率に対して2倍になるように設計されています。上がれば2倍儲かるので妙味が大きいと言えるでしょう。

 

 

 

しかし、この「日経平均レバレッジETF」だけを運用していると、日経平均株価が上昇する、右肩上がりのトレンドのときのみしか利益を出すことができないということになります。それでは、相場すべてに対応することができません。

 

そこで利用したいのは「日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信ETF」と逆の銘柄で、日経平均株価が下がれば下がるほど利益を出すことができる「日経平均ダブルインバースインデックス連動型上場投信」です。

 

「日経平均ダブルインバースインデックス連動型上場投信ETF=日経ダブ」(1357)

 

売買代金は、日経レバレッジほどではないのですが、活用のしやすさからも、リスクヘッジとしてダブルインバースを保有している人も多いです。

 

日経平均株価が下げ相場であれば、利益をたくさん生み出す可能性が高いのは言うまでもありません。ここまでは一般的な手法で、単純に2つを使い分けて売り買いすればいいということです。

 

 

 

そこで、「裏ワザ」になりますが、「日経平均レバレッジETF」を、信用取引で「カラ売り」する方法がそれ。急落に備えて、形はカラ売りをしておくわけですが、信用取引の場合はレバレッジが3倍まで可能、もともと2倍になる商品設計ですので……ここまで書けば、何がいいたいのかわかりますね。

 

人生や仕事と同じで、上昇していくのはコツコツと積み上げて行くのに対して、急落相場になると一気に転げ落ちていきます。その転げ落ちていく(=急落する)ところを、スピード勝負(短期間)で利益を稼ぐ、それがこの投資手法の趣旨です。

 

ただし、踏み上げる(=担がれる)と、今まで利益が出た以上にもっていかれるので、「潮目の変化」をいち早くキャッチしておくテクニックを身につけることが大切です。

 

ここまでで気づかれたと思われますが、同じやり方で、ダブルインバースをカラ売りする方法もあります。

 

この2つのETFを両方現物で買って(両方合算した収益は理論的にいつもゼロ)、それぞれを、相場に応じてカラ売りをすれば、バリエーションが広がるのです。

 

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世界一わかりやすい株の売り方

世界一わかりやすい株の売り方

雨宮 京子

フォレスト出版

「株の売り方」について解説した本です。 普通、株式投資というと「株を買う」 、値上がった株を売って儲ける、または配当や株主優待を得るというものですが、本書は「株を売って儲ける」ということに重点を置いています。 …

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