医療事務の作業効率をアップする「診療体制」の作り方
診察室に医師だけでなく医療事務もいて、診療を補助する診療体制にしているクリニックがあります。
診察室の医療事務が患者さんをお呼びして、問診票入力、電子カルテの入力、検査伝票の記入などをおこないます。医師の診察後、説明の補足をおこなうこともできます。
医療事務に診療を補助してもらうことによって、医師は自らの仕事に集中できるのです。
しかし、その分、医師用と医療事務用の電子カルテ、医療事務のスペースが必要となり、医療事務を1人多く雇用することになります。また、この方法は医師と医療事務が常に同じ診察室にいる状態になるため、お互い気を使い疲れてしまう、というデメリットも存在します。
この方法の派生形として、医師が診察室2つを行ったり来たりして、各診察室には医療事務がいるという診療体制を作っているクリニックもあります。
医療事務が診察室に患者さんを呼んで、問診票入力、診療前の問診、電子カルテの入力、検査伝票の記入などをおこないます。
もう1つの診察室で医師が診療しているあいだに、医療事務がこういった業務を済ませておくのです。そうすれば、より効率的に診療することができます。
しかしこの場合、医療事務を2人分多く雇用しなければなりませんし、医師が診察室間を移動する必要があります。
また、この方法を導入しようとしても、現在のクリニックが1診察室のみで、2診察室の構造になっていない場合、改装しなくてはいけません。
スペースがないようであれば、処置室を診察室に、休憩室を処置室にして、休憩室は外のマンションの1室などを借りる、という手もあります。
患者数が多いクリニックこそ「予約制の導入」に注意
待ち時間短縮の方法として、必ずあげられるのが「予約制の導入」です。
予約できる時間帯を15分や20分ごとに区切り、患者さん自身が事前に予約した時間帯に来院してもらう方式です。
患者数が少ないクリニックであれば、予約制でもいいかもしれません。しかし、待ち時間が長いクリニックであれば、患者さんを予約枠あたり目一杯入れることになります。そうなると、1人1人の患者さんにかかる診察時間は異なりますので、予約時間がどうしてもずれ込んでしまいます。
予約がずれ込むと、受付に「予約したのになぜこんなに待たされるのか?」とクレームが入りますし、ネット上で「予約したにもかかわらず30分くらい待たされた」といった低評価の口コミが投稿される要因となってしまいます。
急な体調不良ですぐにかかりたい患者さんや、仕事で忙しくて時間が読めない患者さんは、予約制で予約時間帯が限定されてしまっているクリニックを避ける傾向にあります。
また、科目によっても予約制を導入するべきかどうかの判断基準も変わってきます。
混雑しやすい診療時間帯をホームページに掲載して、できるだけその時間帯は避けていただくことをお願いしているクリニックもあります。
蓮池 林太郎
新宿駅前クリニック 院長
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