(※画像はイメージです/PIXTA)

どれだけ評判がいいクリニックでも、「待ち時間」が長いと患者の満足度が大幅に下がり、かかりつけ医を変更される要因にもなりかねません。クリニックの評価を左右する「待ち時間」ですが、よかれと思った対策が裏目に出てしまうケースもあるため、注意が必要です。自身もクリニックを経営する医師であり、数多くのクリニックのコンサルティングを行ってきた蓮池林太郎氏が解説します。

医療事務の作業効率をアップする「診療体制」の作り方

診察室に医師だけでなく医療事務もいて、診療を補助する診療体制にしているクリニックがあります。

 

診察室の医療事務が患者さんをお呼びして、問診票入力、電子カルテの入力、検査伝票の記入などをおこないます。医師の診察後、説明の補足をおこなうこともできます。

 

医療事務に診療を補助してもらうことによって、医師は自らの仕事に集中できるのです。

 

しかし、その分、医師用と医療事務用の電子カルテ、医療事務のスペースが必要となり、医療事務を1人多く雇用することになります。また、この方法は医師と医療事務が常に同じ診察室にいる状態になるため、お互い気を使い疲れてしまう、というデメリットも存在します。

 

この方法の派生形として、医師が診察室2つを行ったり来たりして、各診察室には医療事務がいるという診療体制を作っているクリニックもあります。

 

医療事務が診察室に患者さんを呼んで、問診票入力、診療前の問診、電子カルテの入力、検査伝票の記入などをおこないます。

 

もう1つの診察室で医師が診療しているあいだに、医療事務がこういった業務を済ませておくのです。そうすれば、より効率的に診療することができます。

 

しかしこの場合、医療事務を2人分多く雇用しなければなりませんし、医師が診察室間を移動する必要があります。

 

また、この方法を導入しようとしても、現在のクリニックが1診察室のみで、2診察室の構造になっていない場合、改装しなくてはいけません。

 

スペースがないようであれば、処置室を診察室に、休憩室を処置室にして、休憩室は外のマンションの1室などを借りる、という手もあります。

患者数が多いクリニックこそ「予約制の導入」に注意

待ち時間短縮の方法として、必ずあげられるのが「予約制の導入」です。

 

予約できる時間帯を15分や20分ごとに区切り、患者さん自身が事前に予約した時間帯に来院してもらう方式です。

 

患者数が少ないクリニックであれば、予約制でもいいかもしれません。しかし、待ち時間が長いクリニックであれば、患者さんを予約枠あたり目一杯入れることになります。そうなると、1人1人の患者さんにかかる診察時間は異なりますので、予約時間がどうしてもずれ込んでしまいます。

 

予約がずれ込むと、受付に「予約したのになぜこんなに待たされるのか?」とクレームが入りますし、ネット上で「予約したにもかかわらず30分くらい待たされた」といった低評価の口コミが投稿される要因となってしまいます。

 

急な体調不良ですぐにかかりたい患者さんや、仕事で忙しくて時間が読めない患者さんは、予約制で予約時間帯が限定されてしまっているクリニックを避ける傾向にあります。

 

また、科目によっても予約制を導入するべきかどうかの判断基準も変わってきます。

 

混雑しやすい診療時間帯をホームページに掲載して、できるだけその時間帯は避けていただくことをお願いしているクリニックもあります。

 

 

蓮池 林太郎

新宿駅前クリニック 院長

 

2025年2月8日(土)開催!1日限りのリアルイベント
「THE GOLD ONLINE フェス 2025 @東京国際フォーラム」
来場登録受付中>>

 

【関連記事】

■税務調査官「出身はどちらですか?」の真意…税務調査で“やり手の調査官”が聞いてくる「3つの質問」【税理士が解説】

 

■月22万円もらえるはずが…65歳・元会社員夫婦「年金ルール」知らず、想定外の年金減額「何かの間違いでは?」

 

■「もはや無法地帯」2億円・港区の超高級タワマンで起きている異変…世帯年収2000万円の男性が〈豊洲タワマンからの転居〉を大後悔するワケ

 

■「NISAで1,300万円消えた…。」銀行員のアドバイスで、退職金運用を始めた“年金25万円の60代夫婦”…年金に上乗せでゆとりの老後のはずが、一転、破産危機【FPが解説】

 

■「銀行員の助言どおり、祖母から年100万円ずつ生前贈与を受けました」→税務調査官「これは贈与になりません」…否認されないための4つのポイント【税理士が解説】

 

人気記事ランキング

  • デイリー
  • 週間
  • 月間

メルマガ会員登録者の
ご案内

メルマガ会員限定記事をお読みいただける他、新着記事の一覧をメールで配信。カメハメハ倶楽部主催の各種セミナー案内等、知的武装をし、行動するための情報を厳選してお届けします。

メルマガ登録