(写真はイメージです/PIXTA)

長男は東京大学に現役合格、次男は京都大学に現役合格、長女はロンドン大学UCLに現役合格……母学アカデミー代表の河村京子氏は書籍『教えない子育て 正解のない時代に「実践できる子」を育てる』(日本法令)のなかで、子どもに予定が何もない時間を与えていた理由について解説します。

予定が「何もない時間」は子どもの成長のために最重要

子どもの能力を伸ばしたいと思う時に、親である私たちは、何かをプラスしようと思います。学習塾だったり、英語塾だったり、スイミングだったり。

 

もちろんそれらを学ぶことで、子どもの能力は伸びます。しかし、それらを学ぶことで失うものがあることを忘れてはいけません。では、失うものとは何でしょうか?

 

「時間」です。1日が24時間であることは、すべての人に共通です。大人も子どもも1日は24時間です。

 

大人にとって「何もない時間」は無駄な時間かもしれません。私は何も用事がない時間に、ぼーっとしていると少なからず罪悪感を覚えます。しかしその感覚を子どもに当てはめるのは少し危険だと思います。子どもにとって「何もない時間」は成長のためにかかせない時間だからです。

 

しかし、現代の子どもは忙しい。習い事をいくつも抱え、月曜日はA、火曜日はB、水曜日は…のように毎日スケジュールが埋まっている子どもも少なくありません。なかには、1日に2つの習い事を掛け持ちしている子もいます。

 

一見、無駄な時間がなく充実しているように見えます。しかし、そんな子どもたちの中には疲れ切っている子どももいるのです。

 

子どもは忙しすぎると、習い事を消化試合のようにこなすだけになります。もしあなたのお子さんが、

 

「次は何をすればいい? 」

 

と聞くようになったら、要注意です。子どもの体は夜眠っている時に成長します。だから子どもにとって十分な睡眠は、絶対に必要なものです。

 

子どもの能力は「何もない時間」に成長します。だからあえて「何もない時間」を作ってあげることが必要なのです。

 

「何もない時間」を与えずに、どんどんスケジュールを入れると、子どもは「吸収するモード」を停止して、「消化するモード」に変化します。

 

子どもの心が「消化するモード」になってしまったら、勉強も英語もスイミングも、十分吸収することはできません。子どもはただの消化試合で疲れきってしまいます。

 

お子さんの1週間のスケジュールを決める時、まず初めに「何もない時間」をスケジュールに入れましょう。そのあとで、習い事やイベントや勉強のスケジュールを入れるのです。

 

休みの日ごとにお出かけをする必要はありません。たまには家族で、「何もせずのんびり過ごす時間」を楽しんでください。

 

 

河村 京子

母学アカデミー代表

 

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