(写真はイメージです/PIXTA)

M&AアドバイザリーサービスやM&A後の統合作業や組織再編、事業再生などのサービスを提供する株式会社すばる代表取締役の牧田彰俊氏が、M&Aで売却しやすい会社の特徴について解説していきます。

「良い会社」ではなく「割安な会社」が売れる

逆に、ベンチャー企業などで、積極的な投資を行ってきて、業績が良く収益性が非常に高いけれども、自己資本比率は低く内部留保はほとんどない、といった会社はどうなるかといえば、こちらはM&Aでは高く評価されます。

 

しかし、こういった会社の経営者は往々にして、非常に高い譲渡価格を望みます。譲渡価格の目安の算定については、M&Aにおける理論的な株式価格、あるいは、M&A市場の相場といってもいいですが、それよりもはるかに高い金額を希望される場合もあります。つまり「割高」ということです。

 

そうなると、先と同様に投資利回りが低くなるため、結局買い手を探すのに苦労する結果になります。投資の根底にある考え方は、「割安を買う」ことであり、単純に「良い会社を買う」ことではない点を、十分に理解しておく必要があります。

 

将来のEBITDAが年1億円見込める会社と、年2億円見込める会社なら、後者のほうが「良い会社」です。

 

しかし、前者が5億円で売却する(年利回り20%)と提示し、後者は20億円で売却する(同10%)と提示しているなら、前者のほうが割安であるため、どちらか1つを選ばなければならないとしたら、一般的には前者が選ばれるでしょう。

 

もちろん実際のM&A投資は、こんなに単純ではありませんが、要は買い手も経済的利益を追求してM&A投資をしているのだから、売り手が自己の利益の極大化だけを考えていては、売ることは難しくなるということです。

 

 

牧田 彰俊

株式会社すばる

代表取締役

 

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シリアルアントレプレナー 連続起業家

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牧田 彰俊

幻冬舎MC

日本でも脚光を浴びつつある『連続起業家』という生き方。 150件を超えるM&Aのサポートをした著者が、連続起業家になるための失敗しない起業・会社売却の成功サイクルを解説する! 最近広く知られるようになってきた「連続…

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