「終活」の認知度は約80%だが、イメージは…
終活(自らの人生の終わりに向けた活動)という言葉は、2009(平成21)年、「週刊朝日」のコラムで使われ、誕生したといわれています。その後、2012(平成24)年の「ユーキャン新語・流行語大賞」のトップ10にも選ばれ、それをきっかけに「終活」を知ったという方が多いかと思います。
私自身、「それまでシュウカツといえば就活・就職活動のことだったのに、終活なんて言葉があるんだなぁ」と思ったものです。
私は当時、ワイドショーのリポーターとして終活関連業者─例えば遺影の写真を撮ってくれる写真館や、お棺に入るときのワンピースを作ってくださる業者さん・エンディングノートの書き方を教えてくれる終活アドバイザーのインタビューをしたことを覚えています。思えば、エンディングノートという言葉を聞いたのは、そのときが初めてでした。
お葬式の仕方や故人の送られ方に、多くの選択肢が用意されていて驚いた一方で、正直申し上げますと、「終活はまだまだ先のお話」「70歳を過ぎて穏やかで、経済的にもゆとりある暮らしをしている方がエンディングノートという日記を書いているんだなぁ」とひとごととして、リポートをしていました。
まさか数年後に自身が終活ガイドとして活動をしようとは、当時の私には想像もつかなかったわけです。
終活という言葉が生まれてから12年。干支も一周して、今改めて「終活をご存じですか?」と40歳以上の男女2370人に聞くと、およそ半数に当たる48.1%の方が「知っている」と答えました[図表1]。
「聞いたことはある」と答えた30.3%を加えると、78.4%の方が終活を認知していることになります。また、[図表1]を見ると、終活の認知度は年々増加し、多くの中高年にとって、身近なものになっていることが分かります。
認知度上昇の背景には、この10年の間に東日本大震災やコロナウイルスの蔓延など、死を身近に感じる出来事が数々起こったことや、日本が高齢社会ならぬ超高齢社会を迎えたことなどが考えられます。
しかし、認知度が広がった一方で、終活というと、いまだに「暗く」て「重い」イメージをもっている方が多い気がします。それは、そうですよね。終活をするということは、自分の死を想像し、「そのとき、どれくらいお金がかかるのか」「どんな葬儀がしたいか」「どんなお墓がいいか」「相続はどうするか」などを考えて準備をすることです。
多くの人が恐怖を覚える「死」について、向き合うことにほかなりません。なかには不吉なこと、と感じる方もいらっしゃるかもしれませんし、そこまで思わなくても、もう少しあとで考えればいいと先送りにする気持ちになるのも分かります。でも、それは終活を本当に理解してはいないからです。
私も数年前までは終活は遠い存在ととらえて、きちんと考えることもしませんでした。当然、多くの方と同じように、終活に対して前向きなイメージももっていませんでした。
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