(写真はイメージです/PIXTA)

「終活」と聞いて「具体的になにから始めればいいのかわからない」という人が多いでしょう。リポーターで一般社団法人終活協議会理事の菊田あや子氏は、終活では、医療・介護・相続・保険・葬式・墓の6つが重要になると述べています。今回の記事ではその中の医療、介護についてポイントを解説します。

尊厳死、臓器提供…遺志を「事前に」伝えることが大切

■医療について

 

「病気の告知について」はどうしてほしいか。現状では、重篤な病気になった場合、希望をなにも伝えていないと、医師が病状告知をすることが多いようです。

 

すべての人が自分の病状を正確に知りたいわけではないと思います。臆病だから、重篤な病気と知って余命宣告を受けたら、生きる気力を失くしてしまう、という人だって、いますよね。

 

ですから、まずは「告知してほしい」か「告知してほしくない」かの希望を家族に伝えておくといいと思います。

 

また、告知の場合、「病名のみを知りたい」「今後の治療法を知りたい」「余命を詳しく教えてほしい」など細かい希望もあると思います。そのあたりもあらかじめ、周りに伝えておくといいでしょう。

 

ご自身が治療法に詳しい場合や信頼できる医師がいる、感じのいい病院を知っているなどがあれば、病院や治療法についての希望も伝えてください。

 

病気になると、体調も優れず、安定せず、そのあたりの細かな希望を伝えることは難しいと思いますし、救急車で運ばれて緊急入院なんてこともあります。

 

さらには、延命治療についても考えておきましょう。「できる限りの延命治療を希望する」「痛みを取り除く緩和ケアを希望する」「家族の判断に任せる」「尊厳死を希望する」「リビング・ウィル(尊厳死の宣言書)を書いているので尊重してほしい」など、自分の命と向き合うとき、どうしたいかは、とてもナーバスな問題です。その判断を家族に委ねるのは、正直、家族も荷が重いかもしれません。

 

ちなみに、自分の病が不治かつ末期になった際に延命措置を施さないでほしいという意思を提起する「リビング・ウィル」は、尊厳死を認めている医師のもとでないと成立しません。現在、尊厳死を認めている医師は全国で1200人(2020年)。尊厳死を視野にいれるなら、日本尊厳死協会の情報を確認しましょう。

 

そのほか「臓器提供や献体」についても、「臓器提供が可能であれば希望する」「献体が可能であれば希望する」「臓器提供も献体も希望しない」「家族の判断に任せる」など、どれがいいかを考えておくといいと思います。

 

臓器提供や献体は死後行われること。自分の意思を伝えていない場合は、ほぼいずれも「しない」という決断になります。希望がある場合は、必ず家族に伝えておきましょう。

 

医療について、特に治療法については日進月歩。次々と新しい治療法なども生まれます。そうした治療にも対応できるよう、現状の希望を伝えられるといいですね。また、現在の体について、身長、体重、血液型、血圧、アレルギーや既往症、かかりつけ医の詳細、保険証状況についてもまとめておくと安心です。

 

注目のセミナー情報

【国内不動産】4月25日(木)開催
【税理士が徹底解説】
駅から遠い土地で悩むオーナー必見!
安定の賃貸経営&節税を実現
「ガレージハウス」で進める相続税対策

 

【資産運用】5月8日(水)開催
米国株式投資に新たな選択肢
知られざる有望企業の発掘機会が多数存在
「USマイクロキャップ株式ファンド」の魅力

次ページもしもの時のために!知っておくべき介護施設8種

本連載は書籍『エンジョイ! 終活』(幻冬舎MC)より一部を抜粋・再編集したものです。

エンジョイ! 終活

エンジョイ! 終活

菊田 あや子

幻冬舎メディアコンサルティング

年を重ねるごとに大きくなる不安は不安の正体を知ることで解消できる。グルメレポーターであった著者が母を看取り、今思う「終活」の大切さとは。

人気記事ランキング

  • デイリー
  • 週間
  • 月間

メルマガ会員登録者の
ご案内

メルマガ会員限定記事をお読みいただける他、新着記事の一覧をメールで配信。カメハメハ倶楽部主催の各種セミナー案内等、知的武装をし、行動するための情報を厳選してお届けします。

メルマガ登録
会員向けセミナーの一覧