45歳の引きこもり長男に「全財産を相続」させようとした老夫婦の悲劇【税理士が解説】 (写真はイメージです/PIXTA)

お金を巡る争いは尽きないもの。家族や親族の話し合いでなんとかなる……わけもなく、岡野雄志税理士事務所のもとには、様々な嘆きの声が届きます。今回寄せられた相談は「引きこもり長男を抱えた両親の相続トラブル」。※プライバシーに配慮し、実際の相談内容と変えている部分があります。

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「8050問題」…引きこもり長男と甘すぎる両親

「8050問題」をご存じでしょうか? 「8050問題」とは、80代の親が引きこもり状態にある50代の子の生活を経済的に支えている状態のことを指します。子どもが引きこもっている間に親が高齢化。経済的に困窮したり、社会から孤立したりと、深刻な事態になっています。

 

(写真はイメージです/PIXTA)
(写真はイメージです/PIXTA)

 

平成30(2018)年度に内閣府が行った「生活状況に関する調査」では、引きこもり状態にある40~64歳は61万3000人と推計され、注目を集めました。平成27(2015)年時点で15~39歳の推計54万1000人を上回り、引きこもりの長期化、高齢化の実態が明らかになったのです。

 

内閣府の調査から3年が経過し、コロナ禍の外出自粛が拍車をかけ、引きこもりの高齢化はより進んでいると予想されています。人生100年時代といわれる現代、「8050問題」はほどなく「9060問題」になるという意見もあるほど、深刻な状況です。

 

Sさんの長男は、現在45歳。引きこもり生活は20年に及びます。幼少期から成績優秀で、将来に期待されていましたが、大学新卒時に「就職氷河期」時代が直撃。希望する企業の採用に落ち続け、アルバイトで店員をしていましたが、仕事が合わずに辞めてしまったのが発端です。

 

はじめのうちは父親も口うるさく説教し、母親は何とか外出させようと手を尽くしましたが、口論や喧嘩になるだけでした。そんな状態に嫌気がさした妹や弟は早くに自立し、実家から距離を置きました。今では、長男は自室に閉じこもり、同居する両親でさえほとんど顔を合わせることがなくなってしまいました。

 

それでも、Sさんご夫妻にとっては、可愛い息子です。将来のことを考えると、「8050問題」は他人事ではありません。ご夫婦が70歳を超えるころから、「もしも、自分たちがこの世を去ったら、この子は生きていけるのだろうか」と、次第に心配になってきました。

 

そこで、Sさんはご夫妻で話し合い、遺言書を残しておこうということになりました。幸い、長女も、次男も、定職についていて、家庭を築いています。なので、家や預貯金、有価証券などの全財産を、長男に相続させても問題ないだろうと考えたのです。

 

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岡野雄志税理士事務所 所長 税理士

昭和46年6月4日千葉県成田市生まれ。早稲田大学商学部卒業。相続税専門の税理士。

2005年に神奈川県横浜市の新横浜に事務所を開設して以来、横浜に限らず全国各地の相続案件を1690件以上手がけてきました。特に土地の評価を得意とし、相続税還付の実績は業界でもトップクラス。

相続税に関する書籍の執筆にも力を入れているほか、各種メディアからの取材実績も多数あります。

岡野雄志税理士事務所(https://www.souzoku-zei.jp/)

著者紹介

連載税理士・岡野雄志の「事例でわかる相続の恐怖」

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