「コロナ移住」…増加する若者の田舎暮らし
新型コロナウイルス感染症拡大を機に、都会から地方へ移り住む「コロナ移住」が増えています。祖父母の住む田舎へ移住する「孫ターン」も増加しており、20代の孫や子育て世代がUターン・Iターンするケースも多くなっているのです。
総務省統計局の「新型コロナウイルス感染症の流行と2020年度の国内移動者数の状況(2)-住民基本台帳人口移動報告の結果<東京都>-」で、2019年とコロナ禍以降の2020年を比較すると、たしかに東京都から他道府県への移住者は増えています。
「田舎暮らし」といえば、かつては定年後の悠々自適生活をイメージしましたが、図表1を見ても、突出しているのは20~39歳で、2021年も増加傾向にあるそうです。
Tさんの場合、娘さん一家が実家で同居を始めたのは、娘さんのご主人の転勤がきっかけです。そのあとコロナ禍となり、ご主人の会社でもテレワークが導入されました。しかし、会社から辞令が下り、ご主人は管理職として東京本社へ戻ることになったのです。
娘さん夫妻は悩みました。管理職になると、以前より出社日数は増えるので、東京に住む必要があります。子どもの受験や教育環境も考えると、都会へ戻ったほうがいいのでしょう。しかし、コロナ禍のことを考えると、子どもたちはこのままここで暮らしたほうがいいように思えます。
悩んでいる娘夫婦を見て、ハラハラと気を揉んだのは、子どもたちの祖母であるTさんです。孫は子より可愛いといいますが、何年も一緒に暮らせば、ますます情が移ります。可愛い孫たちと離れたくないのです。
これは娘夫婦が決めること、自分が口出ししてはいけないと思いつつも、ついこっそりと孫たちに「このままおばあちゃんと一緒に暮らしてくれたら、この家を譲ってあげる」とささやいてしまったのです。
Tさんのささやきを聞いて目を輝かせたのは娘さんの長男です。地元高校へ進学を希望していて、地元の友達と離れたくないと考えていました。小学生の妹はまだ意味がよくわからず、親と離れたくない気持ちのほうが強いようでした。
しかし、祖母の不動産を孫へ贈与、あるいは将来、相続させることは可能なのでしょうか?
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