赤字社員は転職すると「人罪」になる
以前『若者はなぜ3年で辞めるのか?』(光文社)という本がベストセラーになりましたが、新卒で入社後、3年以内に辞める人が3割もいるといわれています。私は、これをとても残念なことだと考えています。
なぜなら、赤字社員は転職しても、やはり赤字社員になる人がほとんどだからです。もちろん、早期退職者の中には十分に利益貢献した黒字社員で、新たなステップアップで転職するなど、正当な理由があって退職する方もいるでしょう。
しかし、この早期退職者のほとんどは、赤字社員です。そして、会社に利益貢献できない、まだ仕事能力のない赤字社員が、経験(労働年数)だけをどんどん積んでしまうと、それは「害」になるだけです。つまり「人罪」になってしまうのです。
会社の利益に貢献する意識のない赤字社員は、仕事の経験を積めば積むほど、自分の都合のよいように、会社を利用する方法を覚えていきます。
仕事の経験が浅い人は、当然、黒字社員から学べばいいのですが、黒字社員か赤字社員かの区別がついていないので、経験のある人に仕事を教えてもらおうとします。このときに、赤字社員から仕事を教えてもらうと、やっぱり赤字社員になってしまう確率が高くなってしまうのです。
会社にとって、これほど不幸なことはありません。ビジネスにおいては、特に「誰と付き合うか」で、成長速度は大きく変わるものです。
したがって、転職者で会社から即戦力と期待されている場合には、3ヶ月で能力があることを示さなければ、試用期間で「さようなら」になるでしょう。従業員に優しい会社であれば、その後も雇用は続けてくれるかもしれませんが、「リストラ予備軍」であることに間違いありません。
『外資系トップの仕事力』(ダイヤモンド社)の中で、日本エマソンの社長である山中信義氏は、次のように語っています。
「新しい組織、あるいは新しい会社に入ると、だいたい最初の三ヶ月が勝負なんです。最初の一ヶ月は、これまでの環境との差をインパクトとして受け止めて馴染む。次の二ヶ月目は何をやらないといけないのかを把握する。そして、三ヶ月目で具体的に何をしようかと動き始める」
四ヶ月目から黒字社員として活躍する―。その自信がないのであれば、転職しても失敗するだけでしょう。ですから、まずは今の会社で黒字社員になることを考え、それから転職を考えることが賢明といえます。
香川 晋平
K&P税理士法人 代表社員
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