(※画像はイメージです/PIXTA)

「物事を唐突に頼まない」、「投げかけはHowにする」、「接触頻度を高める」、「言い方に気をつける」……リーダーとして知っておきたいコミュニケーション術を見ていきましょう。※本記事は、都丸哲弘氏の著書『どんな時代でも生き残る リーダーの仕事』(株式会社かざひの文庫)より一部を抜粋・再編集したものです。

苦手な相手ほど「接触頻度を高める」ことが重要

●「気にかけている」「興味がある」という合図を出す

 

「あの人とは合わない」「あの人は苦手だ」と、人は相手のことを決めつけてコミュニケーションをとりがちです。

 

決めつけてしまうから、距離が縮まらないのです。

 

たとえば筆者がお客さまのところへコンサルティングに伺うとき、担当者が不機嫌なことがあります。こういった場合、出向くのをやめることもできます。

 

でも、もしかしたら警戒しているだけかもしれませんし、朝奥さまとケンカしたのかもしれない。そのときの態度だけで「合わない人だ」と決めるのは時期尚早です。

 

大切なのは、コミュニケーションの深さと頻度です。社内でも会う機会が少ない人がいれば、1分でもいいから100回言葉を交わす。1分100回会えば、100分です。時間は短くても、一度だけ120分一緒にいるよりはずっと効果的です。「わたしはあなたを気にかけている」「興味がある」という合図を出せば、人は打ち解けていくものです。

 

●少し頑張ってその人のいいところを見つける

 

苦手な人に対してほど、少し頑張ってその人のいいところを見つけてみましょう。いいところはどこなのか見定めて、そのことを本人に伝え、「どうすれば一緒に楽しく仕事ができるか」をゴールにコミュニケーションをとる。10分でも1分でも、回数を重ね、互いを理解するように努めることです。

 

筆者も仕事上、「この人は…」と感じることがあります。そのときはメールではなく電話を1本入れます。これを繰り返していくと、ちょっとしたことでもお礼を言われるようになり、認め合うベースが生まれるのです。

 

苦手な相手ほど、コミュニケーションの頻度、接触頻度を高めましょう。

「自分に非があった」と部下に気づかせるには?

●人は「言われたこと」よりも「言われ方」で不快になる

 

たとえば納期が決まっている仕事を社内でお願いしたのに、依頼したことを自分でも忘れていて納期が過ぎてしまった──。

 

そんなとき、「遅れるならなぜ先に連絡をくれないのか」と頼んだ相手に言いたくなるところです。ただ、言われた側からすると、正しいことを言われているのはわかっていても嫌な気持ちになります。

 

「言われたこと」ではなく「言われ方」に対して嫌な気持ちになるのです。

 

なぜリーダーは、正しいことを控えめに言われなければならないのか。

 

それは、事実として抗(あらが)いようがないために、完全否定されたと感じるからです。

 

本人はわかっている分、言いすぎてしまうと、言われた側はさらに追い込まれるだけで何も生まれません

 

●言い方ひとつで、相手は自分で問題に気づくようになる

 

先ほどの例で言えば、

 

「ごめん。1日遅れていることにこちらが気づかなかった。これからは事前にわかるようにしたいのだけれど、今回の場合、何かできることはないかな?」

 

と声をかければいいのです。

 

そうすると言われた側は、

 

「あんな言い方をしてもらえたけれど、今回のことは自分に非があったな」と、自分で自分の問題に気づけるようになります。

 

伝え方は、夫婦関係にも影響します。ともに生活していると、ゴミ捨てや洗濯など細々としたことはたくさんあります。

 

「昨日どうしてゴミを捨てなかったの!?」

 

「靴下をどうして裏返して洗濯機に入れないの!?」

 

できていないことをただ責められると、険悪になってしまいます。でも、

 

「疲れていると思うけれど、やってもらえたら助かる」

 

と言われると、人は不思議なものでやるようになるもの。

 

もしできなくても、次からはやってほしいと言われると、「やろうかな」という気持ちになります。

 

人は最初に感情で反応します。

 

だからこそ、優しく言うことで動くようになるのです。

 

仕事でも、プライベートでも、強く言えば相手の状況が改善されるというわけではありません。大切なことは控えめに伝えつつ、どうしていくのがいいかを共有する

 

そうすれば、穏便なまま、生産的になっていきます。

 

リーダーは、ぜひ意識したいところです。

 

 

都丸 哲弘

wedo合同会社 代表

 

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どんな時代でも生き残るリーダーの仕事

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都丸 哲弘

かざひの文庫

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