仕事の幅・可能性を広げる「問いかけ」の方法がある
●Yes/Noで答えさせない
リーダーの仕事のひとつに、メンバーに成長の機会を与えるというものがあります。
新プロジェクトへの参加や新しいお客さまの担当など、メンバーたちが経験したことのない仕事を任せて、背伸びが必要な仕事を与え、成長を促すケースが多いでしょう。
ただ、部下の立場から考えると、かならずしも全員が「やりたい」と思えることばかりではありません。
こんなとき、「できるか/できないか」で聞いてしまうと、「経験がないので無理です!」と答える人もいます。
筆者の経験から言えば、こういった場面では、Noと答える人のほうが多いですね。
つまり、Yes/Noで質問すると、Noが返ってくることもあるということ。こうしたやりとりになってしまうと、その人の仕事の幅や可能性を狭めてしまうのです。こんなときはHowの投げかけに変えて、思考そのものを変えていきます。
●投げかけはHowにする
たとえば、「新プロジェクトを立ち上げるのだけど、どうしたらあなたはこのプロジェクトに入れると思う?」という聞き方をします。
「いまの仕事を〇〇さんに渡すので、あなたには新プロジェクトに入ってほしい」と言ってしまうのは少々唐突です。言われた相手は「まだやるとは言っていないのに」と思ってしまうからです。
具体的な事例をひとつご紹介します。
筆者はシェアオフィスを運営しているのですが、ある知り合いから「夜20時から、セミナーと懇親会で使わせてほしい」という依頼を受けました。
シェアオフィスの閉館時間が21時なのですが、懇親会は23時ごろまでかかりそうだとのこと。
通常なら「無理だな」となるところですが、Howの質問でどうしたら実現できるかを考えてみました。これは物事の本質をとらえるよい訓練にもなるので、ぜひあなたも考えてみてください。
●Howの問いかけをすると、実行すること前提の思考になる
筆者はまず、「スタートを20時より前にできませんか?」と聞いてみました。これが難しければ、スタッフに追加料金を払って23時までいてもらう交渉をすることも考えられます。
21時に閉館する理由は、その時間までしかスタッフがいないからです。
このように、Howの問いかけをすると、「実行すること前提でどうすればいいか」という思考に変わってくるのです。やらない・できないという選択肢はおのずとなくなっていきます。
●大変なときほど、「どうやったらできるか?」を問いかける
物事が進まない理由のひとつに、「できる・できない」の議論をしすぎてしまうことが挙げられます。
こんなとき、Howの問いかけをすると、意外なほど早く解決策が見つかることもあります。
大変なときほど、「どうやったらできるか?」と自身やメンバーにも問いかけてみましょう。これを習慣にすれば、できることの幅がどんどん広がり、脳も「本当にできる」と思い込んでくれます。
Howの問いかけが定着するころには、いつの間にか新しいチャレンジが恐怖ではなく、楽しみになっているはずです。
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