(※写真はイメージです/PIXTA)

同じ貯蓄方法や節約方法を知っても、お金を「貯められる人」と「貯められない人」がいるといいます。その違いはどこにあるのでしょうか? 詳しく見ていきます。※本連載は、横山光昭氏の著書『長い老後のためのお金の基本』(筑摩書房)より一部を抜粋・再編集したものです。

「生きるために楽しむ浪費」か「たんなる浪費」か

先ほどのF1のチケットに10万円を使うお客さんの話もそうですが、要するに「生きて楽しむために使う浪費」なのか、たんなる「むだの浪費」なのか、の違いをはっきりさせておく必要があります。

 

「むだの浪費」とは、たとえばATMで時間外の手数料を平気で払うとか、意味もなく電気をつけっぱなしにしているとか、コンビニでなんとなくお菓子を買ってしまうとか、全然通っていないスポーツジムの会費を払い続けるといったことをいいます。これらは「生きるために必要な消費」でもないし、「生きて楽しむための浪費」でもありません。

 

「お金が貯められる人」はお金の価値がわかっている人です。だからむだに浪費しません。

 

筆者はよく「価格ではなく、価値です」と講演会でもお話しします。「お金が貯められる人」はお金を価格ではなく、価値で見ています。もちろん価格も大事ですが、それだけで見ていくと、安いものだけを追いかけるつまらない生活になってしまうのではないでしょうか。

 

筆者が家族との外食費に3、4万円使うのは、落ち着いた雰囲気のレストランでゆっくり会話しながら、美味しいものを味わって、家族でコミュニケーションをはかりたいからです。そこに価値を見いだしているのです。

 

「そんな食事に3、4万円を使うのなら、牛丼が何十杯食べられるんだ!」という発想はありません。いつも3、4万円の外食をしているのなら問題ですが、たまにはそういうところで家族の団欒を楽しむのは、お金に代えられないかけがえのない時間です。むだな浪費ではないと思います。

 

私たちは一生懸命働いて得たお金を使いながら生きています。生きていくのなら、「いいお金の使い方」を目指したいではありませんか。筆者の母親はいつも口ぐせのように「光昭、お金は生きた使い方をせい!」と言っていました。

 

そんなことを言われても、学生のころはまったく意味がわかりませんでしたが、自分で事業をやり始め、成功している人やいろいろなお客さんに会ううちに、お金は生きた、いい使い方をしなければ、集まってこないことに気づいたのです。

 

お金はギチギチに節約して使っても、思ったようには貯まりません。でも、人を喜ばせるためにちょっとしたものをプレゼントしたり、自分を喜ばせるために10万円のF1のチケットを買ったりする。そういう価値や喜びにお金を使う余裕が、いい使い方、生きた使い方なのだと思います。

 

横山 光昭

株式会社マイエフピー代表取締役

家計再生コンサルタント

 

 

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長い老後のためのお金の基本

長い老後のためのお金の基本

横山 光昭

筑摩書房

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