(※写真はイメージです/PIXTA)

同じ貯蓄方法や節約方法を知っても、お金を「貯められる人」と「貯められない人」がいるといいます。その違いはどこにあるのでしょうか? 詳しく見ていきます。※本連載は、横山光昭氏の著書『長い老後のためのお金の基本』(筑摩書房)より一部を抜粋・再編集したものです。

「10万円のF1チケット」は、むだづかいになるのか?

ついでに言っておきますと、「お金が貯められる人」は、お金の使い方に「自分の軸」を持っていて、メリハリがあります。何でもかんでも節約したり、安いものですませようとしたりしているわけではありません。自分を豊かにするために、お金を使うところでは、思い切って使っています。

 

たとえば筆者のお客さんの1人は、ふだんは会社にお弁当を持っていってランチ代を節約していますが、年1回、自動車レースのF1のチケットに10万円もの大金を使うのだそうです。

 

2時間で終わってしまうレースに10万円も使うのはもったいない、と思うのはふつうの人たちの発想です。その人にとっては10万円払っても、それだけの価値がある楽しみなのです。けっしてむだづかいをしているわけではありません。

 

言い方を変えると、お金の使い方に関して、「みんながやっているから」ではなく、「自分の場合は」をちゃんと考えられる、ということです。

 

筆者の例で恐縮ですが、私は携帯電話の料金が月2000円でも高いと思うタイプです。今の時代、通信費は必要経費だから1人1万円かかってもしかたない、とはけっして思いません。携帯電話に対する優先順位が低いのです。

 

その結果、わが家の携帯料金は、家族8人で1万円くらいですんでいます。1人1万円ではありませんよ。8人で1万円です。どうしてそんなことが可能なのかというと、格安通信業のSIMカードを使っているからです。いわゆる「格安スマホ」です。格安スマホは業者によっては通話つきでも2000円弱で利用できます。

 

筆者はもともと携帯電話があまり好きではないので、通話にはほとんど使いません。仕事の電話は会社の固定電話で十分。あとはメールで用が足ります。

 

さらに子どもたちは格安スマホのデータ通信の契約をしておけばLINEをはじめ、SNSなども使えますし、通話は無料のLINE電話で問題がないようなので、1人1000円くらいの携帯料金ですんでいます。

 

もしこれが、ふつうに携帯電話を使っていたら、わが家の場合、ひと月6〜7万円は軽く超えていたでしょう。筆者の価値観としては、携帯電話に毎月6万も7万円も払うことなど許せません。

 

そんなことにお金を使うくらいなら、携帯料金は格安スマホを使って月1万円に抑え、浮いた5、6万円を使って家族で思い切り遊んだほうが楽しい。あるいはその分のお金を投資に回したら、将来的にはすごく増えているでしょう。

 

家族で遊びに行ったり、外食したりするのに5、6万円を使うのはもったいないと思いませんが、携帯料金には1万以上はぜったいに使いたくない。これが筆者のお金の使い方に関する「自分の軸」になります。

 

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長い老後のためのお金の基本

長い老後のためのお金の基本

横山 光昭

筑摩書房

「年金は70歳まで出なくなる? 」「定年後、1人2000万円は必要」「老後破産」「下流老人」等々、老後の生活の不安をあおる情報が飛び交っている。どれがフェイクで、どれが現実なのか? 定年後のビジネスマンの標準的な家計…

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