(※写真はイメージです/PIXTA)

老後資金を充分貯めていたり、退職金をもらえる予定だったりしても、定年後も現役時代と同じように生活費を使っていると、「老後破綻」になりかねません。今回は、実際に相談があった2人の「メタボ家計」の事例をもとに、解決策を見ていきます。※本連載は、横山光昭氏の著書『長い老後のためのお金の基本』(筑摩書房)より一部を抜粋・再編集したものです。

事例①:夫婦で老後資金3000万円も、生活費に40万円

安心老後を送るためには、お金が必要です。しかしそれは必ずしも今、手元にいくらあるかだけで決まるわけではありません。むしろこれからどれだけ生活のむだを省き、お金が貯められるのか、その人のお金に対する姿勢が、老後の生活に大きく影響してくるのです。

 

筆者のところに相談に来られたあるご夫婦の話です。ご主人が60歳で退職したとき、この夫婦には3000万円もの老後資金がありました。内訳は退職金が2000万円出て、さらに貯金が1000万円もあったのです。

 

しかもご主人は再雇用で65歳まで働くことができ、月収は30万円もらえる予定とのこと。住宅ローンがまだ1000万円残っていたとはいえ、かなり恵まれた老後が送れるはずでした。ご本人たちもそう思っていました。

 

ところが、ご主人が60歳で退職してわずか3年で貯金は1000万円も減ってしまい、残りが2000万円になってしまった、というのです。このままご主人の再雇用が終わり、夫婦ともども年金生活に入ってしまうと、あっという間に貯金が底をついてしまうのは目に見えていました。

 

青くなって、ご夫婦で相談にいらしたというわけです。月々の収支を見せてもらうと、生活費は約40万円。かなりの“メタボ家計”だということがわかりました。子どもが2人いて、教育費がマックスかかっていたときの家計のまま、ダウンサイジングする努力をしてこなかったのです。貯金がある家庭なので、毎月お金が足りなくなると、漫然と貯金からおろすという生活を続けていました。

 

このご夫婦の場合、本当は子どもが独立したあとは支出を減らし、少しでも貯金に回さなければいけなかったのです。そうすれば老後資金がもっと貯められましたし、年金だけになっても、ダウンサイジングした生活で、少しずつ貯金をくずしながら、細く長く暮らせたでしょう。

 

しかし一度広げた風呂敷は、なかなかたためません。この夫婦のように、なまじ貯金があったりすると、年金だけになっても“メタボ”の生活を変えずに、だらだらと貯金をきりくずしていってしまうケースがよくあります。

 

そしていよいよ残りが少なくなってから、「計算してみたら、老後が暮らせない」とあわててしまいます。筆者はこのご夫婦に、できる限り長く働きつづけること、そして今からでも可能な限り生活費をきりつめ、少しずつ貯金に回すようアドバイスさせてもらいました。

 

このように、一見、老後資金がたくさんあると思われても、老後破綻のリスクを抱えている人はたくさんいます。一方で、貯蓄が少なくても、家計を見直して少しでも貯金に回すことができれば、安心老後も夢ではありません。

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長い老後のためのお金の基本

長い老後のためのお金の基本

横山 光昭

筑摩書房

「年金は70歳まで出なくなる? 」「定年後、1人2000万円は必要」「老後破産」「下流老人」等々、老後の生活の不安をあおる情報が飛び交っている。どれがフェイクで、どれが現実なのか? 定年後のビジネスマンの標準的な家計…

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