介護施設の選び方…ポイントとなる3つの要素
施設選びの際に確認しておきたい基本的なポイントとしては以下のような点が挙げられます。
(1)平均介護度と年齢構成(平均年齢等)
入居者の平均介護度※が高いようであれば、自力歩行が難しかったり寝たきりなど重度の状態の人が多い可能性があります。逆に平均介護度が低ければ、比較的、元気な人が多いと推測できます。
※介護度…日常生活の中でどの程度の介護を必要とするかについて、その度合いを示したもの。「要支援」と「要介護」という二種類の区分基準がある。
具体的には、「重度な人が多いと、他の入居者とコミュニケーションが取りづらいのでは」「自分は比較的元気で介護度も低いから、介護度の低い人が多いほうが友達ができやすいかもしれない」などという判断が可能となるでしょう。
また、年齢構成もコミュニケーションの取りやすさ、友達のつくりやすさに影響してきます。自分と年齢が近い人が多いほうが、より話し相手などができやすいかもしれません。
(2)生活支援サービスの内容
老人ホームでは介護サービス以外にも食事の調理や洗濯、居室の清掃、外出する際の送迎サービスなどさまざまなサービスが提供されます。
そうした生活支援サービスが、無料なのか有料なのか、毎日なのか、週一回なのか、月何回なのか等の確認も必要です。
また、施設での生活に関連する事柄としては、居室に持ち込める私物(家具、冷蔵庫類など)についても確認しておきましょう。
「ご先祖さまを毎日拝みたい」「施設に入るとお墓参りに気軽に行けなくなるから」などの理由から仏壇や線香などを持ち込みたいという人もいるでしょう。線香に関しては持ち込み自体は禁止していなくても、点火は遠慮いただく形となっているところが多いはずです。不注意等による火災の危険があるからです。
(3)医療ケア体制
医療に関わるサービスはとても重要な位置付けとなります。具体的にどのような形で整えられているのかも事前にチェックしておく必要があります。この点はリスク管理の問題もからむ非常に重要なポイントの一つです。
■運営法人の計算書類も確認する
以上のほかに、できれば施設を運営している法人や団体の財務状況もチェックしておくことをお勧めします。
運営法人等の経営が悪化すると施設のサービスが低下する恐れがあるためです。実際、図表1で示すように、近年、経営破綻する介護事業者が増えている現状もあるので、用心するのに越したことはありません。
運営法人等の財務状況は都道府県知事に届け出を行う決まりとなっており、自治体に問い合わせればその計算書類(財務諸表)を確認することが可能です。例えば東京都であれば都庁に問い合わせれば閲覧することができます。また、施設にも備えが義務付けられていますので、概要の確認が可能でしょう。
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