イベントやレクリエーションに工夫をこらしているか
入居者先生が感動や生きがいを得られる空間であるか否かを判断するうえでは、そこで行われるイベントやレクリエーションも重要なチェックポイントとなります。
介護施設では、雛祭りや納涼祭、クリスマス会など季節ごとのイベントや、身体や心のケアなどを目的としたリハビリ体操や塗り絵など、機能訓練を兼ね備えた種々のレクリエーションが行われます。
こうしたイベントやレクリエーションも、施設の工夫次第で入居者に大きな喜びや感動・生き甲斐を与える要素となります。
ことにレクリエーションは、いつも同じようなものがただ繰り返されていると、新鮮味や刺激が失われていきます。「また、Aか」と入居者に飽きられてしまう恐れがあるでしょう。
そこで、イベントやレクリエーションの幅を広げようと、積極的に新しい取り組みを試みているかどうかも確認しておくとよいでしょう。
例えば、行われているレクリエーションのバリエーションが豊富か、他の施設ではあまり見られないオリジナルな活動があるかなどを意識してみることをお勧めします。
イベント・レクリエーションが創造力を引き出す
施設で行われるイベント、レクリエーションの中には、絵を描いたり、編み物をしたり、俳句や短歌、そして文章を書いたりなど何らかの作品の制作に取り組むタイプのものもあります。
高齢者の方はこれまでの長い人生の中で、仕事や趣味を通じて他者が真似のできないすばらしい能力を必ず兼ね備えています。だから、今ここにその業を再び実現してもらうのです。
そうした創作活動を通じて入居者の意外な創造力が再び甦り引き出されるのです。
一例を挙げると、ある介護施設では、塗り絵をレクリエーションに取り入れています。入居者の中には、はじめは「こんなの塗れるか」と拒否していた先生もいましたが、職員が勧めていくうちにいつの間にか少しずつ興味を示し塗るようになっていきました。
徐々に色使いも上手になり、最後にはまるで絵が浮きあがってくるかのような生き生きとしたすばらしい作品ができ上がりました。
職員が作品を見てほめると、「人物はかわいく塗って、何色の洋服にして着せようかと考えて塗っている」と笑顔で細かく説明されたそうです。
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