マンション販売する側は、様々な戦略で物件のイメージアップを図ります。耳当たりのいい謳い文句に乗せられて、うっかり確認を怠ってしまうと、あとから泣きを見ることになりかねません。購入時に注意すべきポイントにはどのようなものがあるのでしょうか。これまで数多くの「悩める欠陥住宅オーナー」を助けてきた、特定非営利活動法人建築Gメンの会理事長で一級建築士の大川照夫氏が解説します。

販売側は、あの手この手で「消費者心理」を突いてくる

マンションのパンフレットを見ると、「広い部屋に安く住める」「駅が近い」「買い物しやすい街に暮らせる」…など、夢がひろがる文言が並んでいます。

 

これらはマンション選びの大切な要素ではありますが、パンフレットは消費者心理をついた巧妙な戦略のもとに、PRのプロたちが制作しています。イメージはあくまでイメージに過ぎません。

 

もっとも大切なことは、そこに住まう人が安心して安全な暮らしができることではないでしょうか。ここでは、欠陥マンションをつかまないためのポイントを解説します。

マンション建設は、多くの業者・職人がかかわっている

Q1マンションの施工業者は、どこがよいか教えて下さい。

 

A1マンション建設は、多くの下請け業者、職人がかかわっています。そのため、建物はパンフレットに載っている建設会社が建てていないことも多いため、難しい質問です。


ひとつの選び方として、いいと思う建物を訪れ、どこの業者が建てたのかを聞く、また、実際に住んでいる人に使い勝手や瑕疵補修に対する業者の誠意等を聞く、などの方法が有効です。

 

肝心なことは、「工事監理する能力」が高いマンションを選ぶ、つまり「監理会社・監理者」が誰かを見極めて選ぶことが重要です。選ぼうとしているマンションが、どこの「監理会社・監理者」なのか、その「監理会社・監理者」が過去に監理した建物を、実際に見に行く、住んでいる人に使い勝手を聞くのが効果的です。

 

※ 監理するということは、設計図書どおりに工事(施工)されるように指導・監理することであり、同じような工事の監督でも、施工業者で工事職人や技術者を監督・指導するのは工事管理者といって、設計・監理とは意味が異なります。

 

ずぼらな監理者の監理した建物はずさんな出来になっているし、几帳面な監理者が監理した建物は几帳面にできているものです。

 

このほかに、新築マンションを購入する場合は、予定居住者(購入者)が連帯して自分達で「工事監理者=一級建築士」に依頼して、買い手側で工事を監理するという方法をとれば、施工上において、かなり安全なマンションが期待できるでしょう(ただし、法的に売主側の工事監理者が必要です)。

 

(※写真はイメージです/PIXTA)
(※写真はイメージです/PIXTA)

 

Q2設計図書の見方を教えて下さい。

 

A2マンションの設計図書は、100ページ以上におよぶもので非常に分厚く、素人には判断つきかねるというのが現状でしょう。

 

設計図書で最初に確認したいのは「特記仕様書」です。ここには、鉄筋やコンクリートの強度、セメントの種類など、使用材料や施工方法、仕上げ方法などが書かれているので、必ず目を通すようにしましょう。

 

次に確認すべきは構造図の「部材断面リストと床伏図、梁伏図」です。これは、柱や梁、床の断面の状態を図面にしたものです。そのほかには、「矩計図」「タイプ別平面詳細図」「展開図」「配置図」の確認も大切です。

 

これらの構造や性能をきちんと判断するには、事前に勉強しておくことが重要ですが、契約前に第三者の一級建築士とともに、一緒に設計図書を見てもらう方法がより確実でしょう。

 

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    本記事は、「欠陥住宅問題に取り組む第三者検査NPO - 建築Gメンの会」のウェブサイト(https://www.kenchiku-gmen.or.jp/)から転載・再編集したものです。

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