【プロが解説】悪徳リフォーム業者が頻用する、巧妙な言い回し (※画像はイメージです/PIXTA)

近年、悪質なリフォーム業者による被害が急増しています。業者の口車に乗せられて不要な工事をしてしまうだけでなく、数千万円もの金額を騙し取られるケースもあります。そういった被害に遭わないためにも「よくある手口」を知識として身につけておくことが重要です。これまで数多くの「悩める欠陥住宅オーナー」を助けてきた、特定非営利活動法人建築Gメンの会理事長で一級建築士の大川照夫氏が解説します。

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「悪質リフォーム業者」が、高齢者を狙っている!

悪質なリフォーム業者による被害が深刻化しており、建築Gメンの会も消費生活センターやリフォーム被害者から依頼を受け、鑑定書・調査報告書を提出しています。

 

とりわけ、高齢者を狙ったものが多く、「必要ない補強工事を行っている」「床下、小屋裏において、必要のない換気ファンをつけている」「床下に、必要のない調湿剤を敷いている」「市場価格に比べて高額な契約を交わしている」等の被害が目立ち、なかには工事をすることによって、建物が危険な状態になっている場合もあります。

 

悪質リフォームの罪深い点は、被害にあった一人暮らしの高齢者がリフォーム業者の営業マンを悪くいわない点にあります。リフォーム業者の営業マンは、一人で寂しい高齢者の心の隙間につけこみ、旅行・出張に行ってきたと称し土産を買ってきたり、近くに来たついでと称し買い物に車で連れて行ったりと、一見、親切な行動をとります。寂しい高齢者には若い営業マンが息子のように思え、心を許してしまうようです。

 

盆や正月に久しぶりに帰省した子供が悪質リフォーム被害に気付くことが多いのですが、その際、子供が親に騙されたことを伝えても、被害にあった親はだまされたことを認めようとせず、リフォーム業者の営業マンは優しくて良い人だったというのです。

 

このような被害を防ぐために、ご家族の方は、親に定期的に連絡をとり帰省して孤立させないこと、もしくは親になにか不自然なことがあった場合に知らせてほしいと近所の方に挨拶することが必要です。

 

また、そのような業者は工事を行うと、NHKのシールと同じように、消費者の玄関上部に業者のシールを貼っていきます。また、玄関周りに◎などのマークを書き記すこともあります。恐ろしいのは、そのシールやマークを目印に、同じ業者や、同業他者が何度も訪れ、別の工事を次々と契約していくことです。

 

それによって、合計数千万円もの金額を騙し取られるケースもあり、「契約して行われた工事が必要な工事であったか調査して欲しい」「悪質リフォーム業者に騙された」という調査依頼・相談が近年増えています。

 

本記事では、悪質リフォーム被害にあわないための必須の知識として、、①リフォーム工事を始める前に、②契約前、③契約後、④工事中、の4項目に加え、信頼できる業者の判断基準、悪徳業者の実際の手口を解説します。

不審な点は「書面で質問」し、「書面で回答をもらう」

 ①リフォーム工事を始める前に 

 

建物の問題は、新築に限らず、リフォームにおいても様々なトラブルが起きています。なかでも深刻なのが、耐震補強などと称し、高齢者等が訪問販売により、次々と無意味で高額なリフォーム工事を契約させられてしまうケースです。とは言え、なぜ無意味なのか、どれ程高額なのか、消費者にとっては判断に窮するのも事実です。

 

リフォーム工事のトラブルを避けるには、その建物に何が必要か適性に判断することが必要ですが、信頼のおける専門家に相談するなど、新築のトラブルを防ぐ方法と基本的な部分はなんら変わりません。

 

また、こと悪質リフォームの防止には、地域のコミュニティや家族のコミュニケーションがなにより大切であることを付け加えたいと思います。

 

 ②契約前には 

 

契約前には、特に、1. 工事内容をよく把握し、2. 設計図書・見積書・契約書などの書類の内容を確認し、3. 不安な場合は人に相談する、の3つの点に注意して下さい。工事の目的・施工箇所をはっきりと決めましょう。

 

なお、飛び込み訪問営業マンが「建物を補強しないと地震で倒壊する」「床下、小屋裏が湿気ってるので換気ファンを付けた方がよい」「床下にシロアリがいる」と言って、必要以上に契約を迫ってきたり、不信に思ったときは、契約をする前に専門家に相談しましょう。

 

 ③契約後には 

 

契約に違法性がないかどうか、場合によっては契約解除ができるのかどうか、近くの消費生活センターや国民生活センターにお問い合わせ下さい。訪問販売の場合、工事の開始後でも、クーリング・オフ期間内であれば解約できます(特定商取引法第9条)。

 

【参考】「特定商取引に関する法律」の概要

〈訪問販売〉

 

●規制対象

自宅訪問販売、キャッチセールス等(営業所等以外で申し込みを受ける販売)

 

●規制内容

▼書面交付の義務づけ(申し込み時、契約締結時)
▼不適切な勧誘行為の禁止(不実告知、威迫困惑行為)
▼クーリングオフ(契約後8日間は無条件解約を認める)

 

 ④工事中 

 

工事に着手したら、施工業者に任せきりではいけません。工事中の写真や記録をとることも必要です。また、不明な点は聞いて正確に理解するほか、追加・変更工事はメモで残しておきましょう。手抜きではないかと思われたり、契約と違う場合には、問い合わせる勇気を持ちましょう。このとき、「書面」で業者に質問し、「書面」で回答をもらうとよいでしょう。そのほかに、工事関係者や近隣への配慮なども怠らないようにして下さい。

 

棲建築事務所 代表取締役
特定非営利活動法人建築Gメンの会 理事長 一級建築士

1949年生まれ。明治大学工学部建築学科在学中より中村幸安氏(元建築Gメンの会顧問)に師事、卒業後は民間建築設計事務所に就職。設計監理のかたわら、専門家として欠陥マンションなどの被害者の会を支援する。

1980年に棲建築事務所を設立。主に建物の鑑定・調査を行い現在までに法定鑑定を含め取り扱った件数は1000件を超える。2000年設立時から建築Gメンの会に参加。2003年理事長に就任。

著者紹介

連載建築Gメン発!マイホーム購入で絶対後悔したくない人の「欠陥住宅」の見抜き方

本記事は、「欠陥住宅問題に取り組む第三者検査NPO - 建築Gメンの会」のウェブサイト(https://www.kenchiku-gmen.or.jp/)から転載・再編集したものです。

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