「ヘッジファンド」とは、株式市場が上昇局面のときでも下落局面のときでも様々な手法を駆使してプラスの収益を目指すファンドのことです。今回は、「ヘッジファンド」と「投資信託」の大きな違いについて見ていきます。※本連載は、渋沢栄一の5代目子孫、コモンズ投信株式会社会長を務める渋澤健氏の著書『渋沢栄一 愛と勇気と資本主義』(日経ビジネス人文庫)より一部を抜粋・再編集したものです。

インデックスファンドより高いリターンを狙う!
「アクティブファンド特集」を見る

投資信託は他人の金、ヘッジファンドは自分の金

ムーア・キャピタルのオーナーであるルイス・ベーコンは、あまり口数が多い男ではない。しかし、少ない言葉で意味深い話をしてくれるときもあった。

 

NYオフィスの中にあつらえたルイスの大きな部屋の照明は、ディーリングルームよりやや暗めに設定してある。燃えたぎるディーリングルームからルイスの部屋に入ると、背中がすーっと涼しくなる気がする。マンハッタンのミッドタウンで一番見晴らしが良いと思われる場所なのに、ルイスの部屋の窓は常に木製のブラインドで閉じてある。

 

この“黒ヒョウ”のねぐらには大型スクリーンが何台も設置されていて、まるで軍の司令センターのような仰々しい机のうしろにルイスが座る。ルイスの机は大きな会議テーブルと直接につながっている。

 

ある日、筆者がルイスとこの部屋で、サシで話していたときのことだ。彼は、他の機関投資家と自分の違いを、ひとことで語った。

 

「要するに自分の金か、他人の金かだよ」

 

ルイスをはじめ、ヘッジファンドのオーナーやパートナーは、自己資産の大部分を自分のファンドに注ぎ込んでいる。販売会社のようにファンドから生じる報酬というフロー所得だけが彼らの狙いではないからだ。自分のストック(資産)の価値も上がらなければ、運用する意味がないのである。

 

ということは、逆にファンドの運用を失敗すれば、顧客はもちろんのこと、本人のストックも打撃を受けるのである。

 

「他人のお金だけを運用していて、儲けても損をしても報酬が給付されるサラリーマン投資家と自分の動機付けは天地の差だ」、ルイスのこの言葉にそれは表れている。

 

渋澤 健

コモンズ投信株式会社会長

 

\PR/ 年間延べ7000人以上が視聴!
カメハメハ倶楽部
「資産運用」セミナー

 

カメハメハ倶楽部セミナー・イベント

【5/7開催】ABBA案件の成功体験から投資戦略も解説
世界の有名アーティスト「音楽著作権」へのパッション投資とは

 

【5/8開催】使わない理由はない!?
金融資産1億円以上の方だからできる「新NISA」活用術

 

【5/8開催】「相続登記」を放置するとどんなトラブルに?!
2024年4月施行「相続登記の義務化」を専門弁護士がイチから解説

 

【5/9開催】認知症対策だけじゃない!
数世代先の相続まで見据えた資産管理・承継ができる
「家族信託」活用術

 

【5/9開催】「海外法人のつくり方・つかい方」
日本に居ながら自分の「分身」を海外に作るメリットは何か?

 

【5/11開催】相続人の頭を悩ませ続ける
「共有名義不動産」の出口は“売却”だけじゃない!
問題点と最新の解決策を藤宮浩氏が特別解説

 

【5/12開催】良い案件を見つける3つの方策とは?
「日本型オペレーティングリース」投資の基礎講座

渋沢栄一 愛と勇気と資本主義

渋沢栄一 愛と勇気と資本主義

渋澤 健

日本経済新聞出版

もし、渋沢栄一が現代に生きていたら、日本の持続的成長を促すファンドをつくっていただろう――。 大手ヘッジファンドを経てコモンズ投信を創業した渋沢家5代目が、自身のビジネス経験と渋沢家家訓を重ね合わせ、目指すべ…

人気記事ランキング

  • デイリー
  • 週間
  • 月間

メルマガ会員登録者の
ご案内

メルマガ会員限定記事をお読みいただける他、新着記事の一覧をメールで配信。カメハメハ倶楽部主催の各種セミナー案内等、知的武装をし、行動するための情報を厳選してお届けします。

メルマガ登録
会員向けセミナーの一覧