なぜ算出する人によって「相続税額」が変わるのか?
相続税という税金は、10人の税理士がいれば10通りの税額が算出されるという非常に不思議な税金です。
なぜ税理士によって税額にバラつきが出てしまうのか。「土地の相続税評価額の計算方法」に秘密があります。「土地の相続税評価額の計算」は非常に奥が深く、税務署から認めてもらえる範囲内で低く評価できれば、その分、納める相続税も少なくてすみます。
しかし、どうしても自身で相続税を計算したり、相続税に不慣れな税理士が申告したりする場合、本来、もっと相続税評価額を下げられるにも関わらず、減額できる要素を見逃してしまうケースが多く発生します。
そこで相続税評価額の計算をするうえで、評価額を低くできるポイントを見ていきます。
そもそも、どのように土地の相続税評価額を計算しているのか、というと、大前提として「路線価図」を使って計算していきます。国税庁のホームページには、日本全国の地図があり、そこには道路一本一本に値段がふってあります。この値段のことを「路線価」といいます。そして
地積(面積)×路線価=評価額
と計算することができます。本当に簡単で、誰でも計算できるようになっています。
しかし「地積(面積)×路線価=評価額」で求めたものから、土地の個別事情により、大幅に減額が可能です。場合によっては、半額になる場合もあります。「地積(面積)×路線価=評価額」で求めたものは、あくまでも相続税額を求めるうえでの“ベース”なのです。
相続税評価額の減額ポイント①…土地が歪な形
減額のポイントをお話しする前に、少し、怖い話をします。何かというと、税務署は相続税を払い過ぎていても教えてくれません。高く払う分には何もいわないのです。一方、少ないと税務調査となり、場合によっては追徴課税になります。
――もう相続税、払っちゃった
この記事を読んでいる人のなかには、そのような人もいるでしょう。しかし安心してください。相続開始後、5年10ヵ月以内であれば、相続税を取り戻すことができます。
では本題に戻ります。
減額ポイントのひとつ目は「不整形地」。何かというと、土地の形の歪さをきちんと評価に織り込んでいるかどうか、ということです。
地形の悪い土地、つまりきれいな四角形でない土地は減額が認められています。土地を購入する際、きれいな形の土地と、形が歪な土地、どちらにするかといえば、形がきれいな土地のほうを選ぶでしょう。このような評価を相続税評価の際も織り込むことが可能なのです。
――税理士に相続税の申告をお願いしているけど、きちんと計算されているのかしら?
という場合、相続税の申告の際に一緒に提出する「土地の評価の明細」を見てみてください。この書類の真ん中に「不整形地」という項目があります。ここに何か書き込んで入れば、その税理士は土地の歪さを考慮していると考えられます。ここが空欄の場合は、土地の歪さを考慮していないか、土地がきれいな形だった場合です。
土地の形を確認する場合、現地に行ったほうがいいです。最新の測量地図があればいいのですが、昭和50年代のものしかない……などという場合もあります。ですから、きちんと測って、確認しないといけません。このようなことをしていないのであれば、減額ポイントを見落としている可能性が考えられます。
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