(※写真はイメージです/PIXTA)

年金財政の悪化、終身雇用制度の崩壊、インフレ……様々な社会的背景により、公的年金だけで豊かな老後を過ごすことは難しくなってきています。そこで今回は、米国株に投資する投資信託、とりわけ「S&P500に連動するインデックスファンド」が老後資金作りに向いていると言える理由を見ていきます。※本連載は、石田昇吾氏の著書『人生100年時代の着実なお金の作り方 最も堅い資産形成術と税対策』(総合法令出版)より一部を抜粋・再編集したものです。

「つみたてニーサ」と「イデコ」の使い分け方

つみたてニーサとイデコはいずれも非課税の恩恵があり、毎月決まった金額を投資することで、ドルコスト平均法によるリスク軽減を図ることもできるので、これらの枠をフル活用することを強くおすすめします。つみたてニーサで月額3万3000円、イデコで同2万3000円(サラリーマンの場合)の枠があります。

 

いずれも信託報酬の低いイーマクシススリムシリーズを組み込んで運用していくというのもいいでしょう。筆者なら、つみたてニーサもイデコも「eMAXIS Slim S&P500」を選びます。

 

ただし、イデコは運用益は非課税ですが、退職金として受け取るときに金額が増えすぎていると、退職所得に対する税金として課税される場合があります。

 

ですから、イデコはより運用損益の幅が狭いイーマクシススリムの「バランス」を使って運用する方法もひとつです。ファンドの中に債券が組み込まれている分、利回りはS&P500に劣りますが、それが「増えすぎ」を防ぐのに役に立ちます。「増えすぎ」ない分、元本割れのリスクは極限まで減らせます。

 

このように、2つの投資信託を使って運用する場合、より運用損益の幅の狭いほうをイデコにすると良いと思います。

 

なお、イデコは所得控除だけを狙って銀行預金で積み立てることも可能ですが、これはおすすめしません。というのも、イデコは60歳になるまで引き出すことができないからです。銀行預金の利点は、いつでも引き出し可能な流動性にあります。それができないとなると、あえて銀行預金を利用するメリットが何もないからです。

 

イデコに資金を入れると決めたからには、積極的に資金を増やしにいくべきです。

 

石田 昇吾

クライサー税理士法人 代表税理士

株式会社TAXプラス 代表取締役

 

 

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人生100年時代の着実なお金の作り方 最も堅い資産形成術と税対策

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石田 昇吾

総合法令出版

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