
「早期退職をして不労所得で暮らしたい」と考えたことがある人なら、「不動産投資」を検討したことがある人は多いと思います。しかし、不動産会社のなかには、あの手この手を使って投資用物件を販売してくる業者もあります。本記事では、そのような業者に騙されないために、不動産会社がよく使う「おいしい言葉」を紹介します。※本連載は、石田昇吾氏の著書『人生100年時代の着実なお金の作り方 最も堅い資産形成術と税対策』(総合法令出版)より一部を抜粋・再編集したものです。
「新築の投資用物件」は、寿命が長くて得なのか?
不動産業者は投資物件を売りつけるために、「おいしいこと」をいろいろと言ってきます。間違っても、自分たちにとって都合の悪いことは言いません。ここでは、騙されやすい言葉を取り上げていきます。
「物件寿命が長いからローンも長く設定できる」「長期的に見れば決してマイナスにはならない」という言い方をしてきます。
投資をする側も「ワンルームマンションなら自分でも買えるかな」と思ってしまうのがミソです。ワンルームマンション投資は、手軽に始められる分、罠も多いのです。
また、マンションの価値は新築時が最大です。築年数が経つにつれて価格は下がっていきます。わざわざ一番高いときに買う意味はないと思いませんか? 特に新築の場合、本来の価格に500万円から1000万円程度が上乗せされていると思ったほうがいいでしょう。
結論から言うと、節税になるのは1年目だけです。それもその人の給料額にもよるので、「確実に1年目は節税になる」とも言い切れません。せいぜいその節税した額で、不動産を取得したときにかかる「不動産取得税」という税金を払えるくらいです。
「減価償却費があるので節税になる」と業者は言いますが、減価償却をするのは建物だけです。土地は減価償却をしないので、家賃収入よりも減価償却費が上回るということはありえません。
ついその気になって投資用物件を買ってしまうと、2年目からは追加で納税をしなければならない羽目に陥ってしまいます。
投資用不動産のローンを組む場合、団体信用生命保険に加入することになります。「あなたが亡くなったとき、そこから保険金が下りてローンの支払いがなくなる。だから今現在入っている生命保険を解約して、その分をローンに回せばこの物件が買える」という文脈で使われることが多いようです。
しかし、冷静に考えると変な話です。なぜ今、入っている保険を解約してまで、借金を背負わなくてはいけないのか。通常の生命保険であれば、いつでも解約できますが、不動産は簡単に売れません。不動産業者はあの手この手で売りつけようとしてきます。ご用心を。
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