手数料、仕組み、名前…金融商品で注意すべきポイント
買ってはいけない金融商品には、いずれも共通する特徴があります。それは次の三つです。
①手数料が高い
金融商品の良し悪しを判断する時に最も重要なのはコスト、すなわちその商品を提供する業者が徴収する手数料です。
よく「過去の実績が良かったとか、運用成績が良かったから良い商品だ」と考える人もいますが、これは間違いです。なぜなら運用成績というものはどこまで行っても不確実なものであり、今まで良かったからといってこれからも良いとは限らないからです。
ところが手数料というコストは確実に利益に対してはマイナスに作用します。したがって、手数料が高いか安いかはとても重要です。株式や投資信託といった金融商品は手数料がすべて開示されていますが、保険商品にはどうもこの「手数料」という概念がないようで、ほとんどの保険商品ではコスト、すなわち「経費率」は開示されていません。
保障を目的に保険を利用するのなら良いですが、資産運用目的で運用するのはやめたほうが良いでしょう。
②仕組みが複雑
これは金融商品に限らず、およそ世の中のものは原則としてシンプルイズベストと言って良いだろうと思います。例えば家電製品の場合、複雑で多機能になればなるほど、値段は高くなるし、故障もしやすくなる。金融商品も同様で手数料は高くなるし、どこにリスクがあるのかが見えにくくなります。
ではなぜ複雑な仕組みのものを作るのかというと、そのほうが業者にとっては収益機会が増えるからです。オプションを組み入れたり、外国為替を絡めたりすれば、そこから生じる手数料も多くなります。
例えば、分配金を定期的に出す投資信託の場合、今のような超低金利の時代だと、安定的に高分配を出すのは困難です。そこで株式や通貨のオプション取引を組み合わせることで収益を生み出そうとするのですが、それらは多くの場合、非常に高いリスクを負うことになり、かつ、それが素人にはよく見えないという問題があります。
したがって、そういう商品には近づかないことが賢明です。わからなければ仕組みを聞く。聞いてもよくわからないのであれば買わないというのが正解でしょう。
③耳ざわりの良い名前
これは「どうしてなのか?」と思われるかもしれませんが、複雑な商品に限ってイメージを良くするために、シンプルでわかりやすい商品名がついていることがあります。
例えば、「個人年金」という名前が付いていたら、「頼りにならない国の年金を補う頼もしい味方」みたいなイメージが湧いてきますし、「毎月分配型」という名前は、2ヵ月に一度しかもらえない年金を補ってくれるという印象を与えます。
投資信託の中には、名前が長いために愛称を付けているのもあります。例えば「〇〇の達人」とか「〇〇君」といった親しみやすいものです。でもそんな愛称だけで買う人はいないでしょうから、これは別に問題はないと思いますが、前述のような個人年金とか毎月分配型というのは商品性を誤解させかねませんので、こちらもよく中身を確認することが必要でしょう。
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