人口減少に伴い新築アパート「供給過剰」の状況が加速
出生数を死亡数が上回ることで、今後日本の人口はますます減少し、図表1の通り、令和47年(2065年)には9000万人を割り込むまで減少することが予想されています。
世帯数は、核家族化・個人化の流れを受けてしばらく微増が続くと予測されますが、最終的には大幅な人口減少に伴って、大きく減少していくことが確実です。
一方、新築アパートの供給は、大手ハウスメーカーを中心に相変わらずやむことをしりません。部屋を借りたいという需要が明らかに少なくなっていくにもかかわらず、供給だけが続いていくという状況です。
需要と供給のバランスで言えば、明らかに供給過剰の状況が生まれ、その状況が加速しているのです。
平成30年(2018年)に発表された全国平均の空室率(空き家率)は13%を超えており、当社の営業エリアである関東の空室率も、17%を超えています(総務省統計局住宅・土地統計調査より)。
今後空室率は増加の一途をたどり、令和22年(2040年)には空室率が40%前後になるという予測まであるくらいです(野村総合研究所調査より)。
空室率が上昇するということは、家賃が下落していくことと同義です。そして、空室率が40%になるというのは家賃が40%下がることを意味します。家賃10万円の部屋が6万円でなければ入居者が決まらなくなる、と言えばご理解いただけるでしょうか。オーナーにとっては、単純に売上が4割減少することにほかなりません。しかしながら、固定資産税や借入金の金利等の経費はほとんど変わらないのです。
人口減少および供給過剰による需給関係の大きな変化により、アパート経営が非常に厳しくなっていくことがおわかりいただけるかと思います。
もちろん、日本全国一律に空室率が高まっていくわけではありません。国全体の人口減少という大きな流れはありますが、人の住むところと住まないところで、空室率の二極化が進行していくことになります。具体的に言えば、大都市に人口が集中する一方、地方都市や郊外が過疎化するのです。
こういったエリア間の二極化が進行していくことは間違いありません。以上から、アパート経営を行うに当たっては、アパート経営のやり方とともに「所有物件の立地」が今まで以上に重要になっていくことがおわかりになると思います。
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