「起業」が広く知られるようになった昨今。飛び抜けた才能を持つ経営者は一握りであり、起業をすれば、経験したことがなかったり興味がなかったりする仕事も訪れ、不安を感じてしまう起業家も少なくないようです。M&AアドバイザリーサービスだけでなくM&A後の統合作業や組織再編、事業再生などのサービスを提供する株式会社すばる代表取締役の牧田彰俊氏が解説します。

「自分の資質」と「必要な能力」を見極める

この段階においては、限られた経営資源をより効率的に配分し、収益性を高めるためのビジネスモデルの構築と実行が最も重要になります。いわゆる中小企業と呼ばれる企業の多くは、この段階にとどまっていると考えられるでしょう。そして、ある程度確立した事業を、最大限まで拡大していく、いわゆる「スケールさせる」ステージが10→100になります。

 

この段階においては、いかに組織の力を効率的に引き出すかという組織マネジメントの能力や、資金や取引関係などの外部資源を必要に応じて的確に調達する能力が重要になります。さらに、会社という単位で見た場合は、商品ライフサイクルを見越した新事業開発や多角化にも取り組む必要があるでしょう。

 

IPOやその先を見据えるのであれば、内部統制や資本政策など、考えなければならない要素も格段に増えます。

 

・自分が得意なところに集中できる連続起業家

 

おおざっぱな目安ではありますが、以上のように段階分けをしたときに、それぞれの段階で必要とされるトップの能力、あるいは資質が異なっていることに気がつくでしょう。

 

ぱっと考えても、0→1で新しいプロダクトを考える創造力と、0→100で組織を管理するマネジメント能力とは、まったく別の能力です。そのため、「新しいプロダクトやサービスの構想を考えてそれを事業化するまでの0→1は得意だし、好きだけれども、組織を管理して大きくしていくといったことには向いてない」という起業家も珍しくありません。

 

一方で、「人をマネジメントしたり、経営資源の効率的な配分を設計したりすることは好きだけれど、イノベーティブな創案をすることは苦手だ」という起業家だっているはずです。

 

特に、10→100の段階において、IPOするかしないかは別としても、事業拡大のために上場企業に準じるレベルのマネジメントや内部統制が必要になってきたとき、自らの資質や能力の限界を感じたり、そもそも興味がないと感じる起業家は多くいます。

 

(※写真はイメージです/PIXTA)
(※写真はイメージです/PIXTA)

 

上場企業で事業部長クラスの業務を経験したことがあるような人は別として、ほとんどの起業家にとって経験したことがない仕事になります。そこで、この先も自分が組織を管理していて会社を成長させていくことができるのだろうかと、不安を感じるようになってくることはよく見られます。

 

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シリアルアントレプレナー 連続起業家

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牧田 彰俊

幻冬舎MC

日本でも脚光を浴びつつある『連続起業家』という生き方。 150件を超えるM&Aのサポートをした著者が、連続起業家になるための失敗しない起業・会社売却の成功サイクルを解説する! 最近広く知られるようになってきた「連続…

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