「起業」が広く知られるようになった昨今。飛び抜けた才能を持つ経営者は一握りであり、起業をすれば、経験したことがなかったり興味がなかったりする仕事も訪れ、不安を感じてしまう起業家も少なくないようです。M&AアドバイザリーサービスだけでなくM&A後の統合作業や組織再編、事業再生などのサービスを提供する株式会社すばる代表取締役の牧田彰俊氏が解説します。

起業には、0→1、1→10、10→100の段階がある

起業における経営の段階は、0→1(ゼロイチ)、1→10(イチジュウ)、10→100(ジュウヒャク)のようにわけられると考えられます。0→1は、今までこの世に存在しなかったような新しいプロダクト(製品やサービス)を考案して事業化したり、すでに市場が確立している製品に革新的な変化をもたらす事業を興したりする場合に使われる言葉です。これは、狭い意味での「ベンチャー」の起業とほぼ同義だといえます。

 

例えば、会社員だった人が会社を辞めて起業をするとしても、町の蕎麦屋さんを開店するとか、Webサイトのデザイン会社を始める場合のように、すでに市場ができあがっているところに既存のものと同じようなプロダクトで参入するケースは、0→1とかベンチャーとは厳密には言いません。

 

一方、同じ蕎麦屋さんでも、これまでにまったく存在しなかった新しい形での事業、例えば、店舗にまったく人がいない無人の蕎麦屋さんとか、蕎麦職人が自宅に来て打ち立ての蕎麦を提供してくれる蕎麦屋さんなどは、おそらくこれまでこの世に存在していないので、もしそれを事業化できれば0→1のベンチャーということになります。つまり、世の中の多くの起業は、0→1とかベンチャーではないということです。

 

私自身も、前職を辞めて、現在代表を務めている会社を起業しましたが、M&A仲介というすでに確立された市場に参入しているので、ベンチャーだとは思っていません。

 

0→1において重要なのは、いうまでもなく新しいプロダクトやイノベーションを考案する創造力ですが、それと同時に、そのプロダクトやサービスが市場性をもつのか、いわゆるプロダクト・マーケット・フィット(PMF)をしているのかどうかを判断する能力も、同じくらいに重要です。

 

それがなければ単なる珍妙で採算も取れない面白商品というだけで終わってしまう可能性が高くなるからです。次に1→10ですが、これはスタートした事業からある程度自律的に収益が上がり、事業の再現性が可能になる規模まで成長させることです。

 

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シリアルアントレプレナー 連続起業家

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牧田 彰俊

幻冬舎MC

日本でも脚光を浴びつつある『連続起業家』という生き方。 150件を超えるM&Aのサポートをした著者が、連続起業家になるための失敗しない起業・会社売却の成功サイクルを解説する! 最近広く知られるようになってきた「連続…

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