ファイナルファンタジー、キングダムハーツ、スーパーマリオシリーズなどの制作に携わった菱沼寛章氏は書籍『ゲームは子育てを助けられる ゲーム制作から考える子育て攻略本』のなかで、ゲームと教育の意外な関連性を指摘しています。

親が陥りがち…「あれもやって!」が積み重なると

適当な例なので面白そうに聞こえないことはご容赦いただきたいのですが、面白そう面白くなさそうとわかることが重要です。このようにゲームの前に明確な説明がつけられるということは、「やってほしい」ことも明確になっていることになります。

 

ゲームのジャンルや「やってほしい」内容でさまざまに変化しますが、この説明でポイントが絞れていなかったり端的に説明できていないと、あれもこれもやりたいだけの軸ができていないゲームという扱いになります。

 

良くない例で言えば、

 

●いまだかつて見たことない、センセーショナルなゲーム

●みんなでワイワイ楽しめ、一人でもやりこめるパーティゲーム

 

といった感じでしょうか。説明がかなり曖昧な上にジャンルやゲームの内容がイメージできないため、内容はどうとでも変わりそうな印象です。

 

この「やってほしい」核の部分を、ゲームでは「コンセプト」と言います。目的を達成するために最後まで貫く目標です。「コンセプト」はゲームに特化したキーワードではなく、ビジネスやほかのエンターテイメントでも広く考えられていることです。

 

夢中でプレイしてもらえる「面白い」ゲームは、「やってほしい」ことが明確で「コンセプト」がしっかりしています。「センセーショナル」「いままでにない」といった曖昧な表現は最後までフラフラしたままとなり、なかなか「面白い」とはなりにくいのです。

 

ただ、いきなり「コンセプト」を理解しようとしても、考えすぎて手が止まってしまうかもしれないので、ここではひとまず「やってほしい」ことを端的にまとめる「コンセプト」というものがどうも大事らしい、とだけ頭に入れていただければと思います。

 

では、なぜ「コンセプト」が、ゲーム同様に子育てでも大事だと考えるのか?

 

最初に考えることは、ゲームではつくっていくうちに「あれも」「これも」やらせたくなってくる点です。これは、子育てでもよくあることではないでしょうか?

 

お子さんが○をできたとしても、親御さんが先のことやほかのことに気がいってしまい「△もお願い」と積み上げてしまう、そんなことはありませんでしょうか? 「やってほしい」○が曖昧だから起こるのですが、延々と積み上げられたお子さんは、親の「やってほしい」には終わりがないと感じてしまいます。

 

ゲーム制作の指針にある「一目見たら、その面白さがわかり、手に取れば夢中で遊べる」の「一目見たら」は、まさにこのことを意味しています。的確に要点を絞り、何が一番大切かをはっきりさせるのです。

 

また、いざ「やってもらう」を進めてみても上手くいかないケースが多くあるため、迷走することが起こり得ます。そんなときに、そもそも何を「やってほしい」と思ったのか立ち返るために、定めた目標である「コンセプト」が必要になるのです。

 

日常にありそうな例を挙げてみます。

 

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本記事は幻冬舎ゴールドライフオンラインの連載の書籍『ゲームは子育てを助けられる ゲーム制作から考える子育て攻略本』より一部を抜粋したものです。最新の税制・法令等には対応していない場合がございますので、あらかじめご了承ください。

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