ファイナルファンタジー、キングダムハーツ、スーパーマリオシリーズなどの制作に携わった菱沼寛章氏は書籍『ゲームは子育てを助けられる ゲーム制作から考える子育て攻略本』のなかで、ゲームと教育の意外な関連性を指摘しています。

子どもの「ピアノを辞めたい…」に、親の判断は?

■「やってほしい」○で使う「コンセプト」の例

「ピアノの習いごとを、小学生6年の間、楽しんで続けること」

 

【起こったトラブル】

●ピアノの習いごとは週2日間ある。

●塾やほかの習いごとも含めると週5日間の予定が埋まってしまう。

●ピアノの練習を続けるのは大変なので、ピアノを辞めたいと言ってきた。

 

【コンセプトに立ち返る】

「ピアノを楽しんで続ける」が核であり、優先すべきことなのでピアノを続けられない+楽しめなくなった地点で、再考しなければいけない。

 

【考えられる対策】

①「ピアノ」が優先であれば、塾かほかの習いごとを辞め問題をシンプルにする。

②「続ける」を優先であれば、週2日ではなく週1日に減らす。

③「楽しむ」を優先であれば、レッスンやノルマが厳しくない場所に変える。

 

このように、状況の改善や問題の解決を考える元になる「コンセプト」を明確にしておくと、優先すべき判断材料があるので、その対策が効果的に整理できます。

 

判断もしないまま「いいから、頑張りなさい」と返してしまうと、その場しのぎになるだけで、のちに問題が大きくなって返ってきます。しっかり「コンセプト」を持っておくと判断での迷いが減るということは、押さえておいてください。

 

例で①〜③と対策が三つに分かれてしまったのは、「コンセプト」内でより重要なポイントが絞れてないからでもありますが、このくらいの数に問題を解決するための判断が減らせれば、お子さんと相談して決めることは容易になってくると考えられます。

 

端的に「コンセプト」を決めることは難しいかもしれません。まずは「やってほしい」○の目指すところだけでも明確に決めてみる、から始めていきましょう。

 

■ポイントまとめ

 

お子さんのために、あれもこれもやらせたい気持ちはわかりますが、一度にできることはそう多くありません。

 

限られたなかで「やってほしい」〇を確実に進めるためには、親御さんが判断するための明確な核となる、「コンセプト」を決めることが最優先だと考えます。

 

お子さんの個性や置かれている状況に合わせて考え、しっかりとした「コンセプト」を決めていきたいところですが、適当に決めたり内容が曖昧になると、後で必ず行き詰まります。とはいえ、簡単に決められるものでもないので、まずは「やってほしい」ことの方向性だけでも決めてみてください。

 

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菱沼 寛章
1973年1月27日生まれ。宮城県仙台市出身。仙台第二高等学校卒業、明治大学理工学部電気電子工学科卒業。大学卒業後、スクウェア(現 株式会社スクウェア・エニックス)入社。ファイナルファンタジー、キングダムハーツなどの制作に関わり、2010年 任天堂株式会社に中途入社。スーパーマリオシリーズ、3タイトルなどに関わり、2019年までの22年間、ゲームプランナー業務に従事。現在もフリーランスで継続中。

【関わった主なゲーム】
ファイナルファンタジーⅧ、X、X―2、XⅢ
キングダムハーツ
進め!キノピオ隊長
スーパーマリオ3Dランド、3Dワールド 、スーパーマリオオデッセイ

 

 

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本記事は幻冬舎ゴールドライフオンラインの連載の書籍『ゲームは子育てを助けられる ゲーム制作から考える子育て攻略本』より一部を抜粋したものです。最新の税制・法令等には対応していない場合がございますので、あらかじめご了承ください。

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