ことほどさように、「この人以外には頼まない」くらいのレベルや関係性を築くことが大切です。
ファンが伝道師になると伝説になります。
もう人生も後半戦になってくると、若い頃のようにバリバリと量をこなす仕事は難しくなってきます。
あとは経験と技量で、ひとつひとつ丁寧にお客様にいかに喜んでいただけるか、に集中することです。
商売同様、企業内でも、このことならあの人にお願いしよう、聞いてみようという存在価値になることです。
人材には、「人財、人在、人罪」の三種類があり、財たからになるのか、ただいるだけなのか、いるだけで災いになるのかでは大きな違いです。
若い頃と比べてジワリジワリと能力が落ちていくなか、自分の中の御用達はなにかを見極めて磨きましょう!
ポジションパワーだけでは人は動かない
【50代から枯れる人=怖くて厳しいだけの人】
50代が育った時代は戦後の豊かな環境がベースではありましたが、「教育」にはいわゆる戦前の「刻苦勉励(こっくべんれい)」のような苦しみに打ち勝ち、常に力を抜かずに励んだ者しか勝ち残れない! というイメージがあります。
その影響か、どうしても家族や部下に対して厳しく対応しなくてはいけないという思い込みが強い人が多いものです。
愛情からくる厳しさも時には必要ですが、常に相手には怖く、キツくあたらねばならないというのは勘違いです。
自分は管理職だからと、威厳を保つことにばかり意識を持ち、ポジションパワーを駆使して、恐怖を与えるマネジメントをしていると、本当の成果や成長を得られません。
また、ベテランリーダーだから万能であるべし、という気負いを捨てることも大切です。
管理職、指導者はなんでも知っている、出来るということはあり得ません。
部下やメンバーの方がよりよいやり方や情報を持っている、と考えた方が気も楽になります。
なまじ意地を張って問題を先送りすることは大きな弊害を生むことになりかねません。
実はそこに50代からのリーダーシップのコツが潜んでいて、組織やメンバーが真の実力を発揮させるにはどんなスタイルがいいのかをよく学んだ方が、効率がいいものです。
自然体で、メンバーのいいところを探して、それを集めてくる作業がリーダーの重要な役割です。
威張らない、圧迫感を与えない、素直にみんなから学ぶ姿勢に親近感を覚えて知恵やアイデアを寄せる組織文化が生まれます。
厳しいよりも、面白い、明るい、温かいというスタイルに変化してみるチャンスも50代です。
愛嬌(あいきょう)のあるリーダー、魅力的です!
松尾 一也
株式会社ルネッサンス・アイズ