「ゼネコン」とは、元請負者として各種の土木・建築工事を一式で発注者から直接請負い、工事全体のとりまとめを行う建設業者を指します。株式会社白川工芸社・代表取締役の中根義将氏は書籍『スマートゼネコンマン』のなかで、ゼネコンマンの働き方について紹介しています。

「1+1=3にする仕事」って、何だ?

ゼネコンの現場監督ってどんな仕事ですか?と聞かれたらあなたはどう答えるだろう。

 

スマートゼネコンマンならきっと、【1+1を3にする仕事】と答える。

 

抽象的でわかり辛いとは思うけど、僕が尊敬していた現場監督の猛者たちは、必ずこういう能力を持っていたし、言葉にはしなくても、日々の業務において意識していた。もちろん僕自身、これを意識できるようになってから、飛躍的に仕事が楽しくなった。

 

(※写真はイメージです/PIXTA)
(※写真はイメージです/PIXTA)

 

ありきたりな回答で言えば、建築士が描いた設計図を現場の職人に伝え、要求通りの建物を完成させるのが現場監督の仕事だ。何せ色んな立場で人が関わる仕事のため、様々な人間関係の板挟みにされる。その中で、膨大な説明資料の作成に追われるこの職業を、わかりやすく言い表すのは無理がある。

 

そこで、1+1=3とは何か、料理に例えて説明しよう。

 

ある夫婦が共同でカレーを作る場合、それぞれの能力を1とする。夫が食材をカットし、妻はカットした食材を炒めて、煮込む。それぞれの仕事をすればちゃんとカレーが完成する。これが1+1=2だ。

 

この時、カット担当の夫がちゃんと仕事しても、調理担当の妻が煮込む時間を間違えたりルウの分量を間違えたりすればまともなカレーは完成しない。この場合は、1+1=0だ。こうなることはあまりないけど、大抵の現場では1+1=2、現場監督がたいして活躍しなくても、職人同士がお互いの仕事を果たせば、それなりのものは完成する。

 

では1+1=3とは何か。普通のカット担当は、単に食材を指定の形にカットする。この時、次の調理がしやすいように仕込み包丁を入れるのが1+1=3の考え方だ。

 

同じ調理時間なら、仕込み包丁を入れた方がより味が染み込んで普通に作るよりも早く完成したり、美味しくなったりするからだ。あるいは、メインの肉が引き立つように他の食材を小さめにカットすることもあるかもしれない。

 

こういったひと工夫が、建設現場のそこかしこで実行されるように意図的に仕向けることこそ、現場監督の役目なのだ。

 

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本記事は幻冬舎ゴールドライフオンラインの連載の書籍『スマートゼネコンマン~残業なしで成果を出す次世代現場監督~』より一部を抜粋したものです。最新の税制・法令等には対応していない場合がございますので、あらかじめご了承ください。

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