100兆円突破「タンス預金」のメリットとデメリット
各家庭に「タンス預金」いわゆる自宅に置いてある現金は少なからずあるでしょう。そのような現金なら、相続が起きた時に相続税申告書に記載しなくてもう税務署は分からないのでは、と考える人も多いでしょう。結論から言うと「タンス預金」は税務署にはバレてしまいます。
そもそも「タンス預金とは何なのか」というと、個人が金融機関に預けないで自宅に置いてある現金のことです。これはタンスの中だけに限らず、金庫の中や財布の中などにある現金を総称して「タンス預金」と言います。
日本国中の「タンス預金」は、100兆円以上(日本銀行『2020年10月~12月資金循環統計(速報)』より)と言われ、非常に金額が増えている、という側面があります。
なぜ「タンス預金」は増えているのでしょうか。その背景にあるのは、やはり歴史的な低金利という時代の中で、金融機関、銀行にお金を預けていても利子は付かないし、お金が増えないのであれば家で現金を保管しておこう、という人が増えていることがあると考えられます。
またマイナンバーの導入も見逃せません。マイナンバーで銀行に預けているお金が国に把握されてしまうのが心配だという声もあります。それであれば、家に現金を置いておこう……そう考えるのでしょう。
「タンス預金」の隠し場所は、タンスの引き出しの中だけに留まりません。自宅に置いてある金庫や、ドラマみたいに本棚の中に隠しておくというケースも見られます。さらには仏壇の中とか、庭に埋めている、というケースもあるようです。
現金(札)は紙ですから、色々なところに隠し場所はあり、保管しやすいというのも「タンス預金」が増えている要因だと考えられます。
「タンス預金」のメリットとしては、必要な時にお金が使えるということがあります。また相続が発生した際、基本的に一定期間預金口座は凍結され、現金を引き出せなくなりますが、「タンス預金」であれば現金なのですぐに使えますし、相続時にお金が必要になった場面で、現金であればすぐに使えるということもあるでしょう。
一方でデメリットとしては、盗難や火災などのリスクは一番大きいでしょう。また隠し場所を工夫し、家族に内緒にしておいた場合、遺族が見つけられなくなる、というリスクもあるでしょう。
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