「ちゃんと勉強しなさい」で子どもが困り果てるワケ
親御さんがお子さんに「やってほしい」こと=〇×を、ゲームのように強くする前に、きちんと〇×について考えていきましょう。
なぜ〇×を「やってほしい」のか、親御さんの考えを、しっかりとまとめる必要があります。何となくやらせたいくらいでは、お子さんの「やる」には届かないことを、ゲーム制作では嫌というほど思い知っています。
お子さんに「やってほしい」こと=〇×は、簡単にできるお手伝いのようなものから、将来役に立つ武器になるようなものまで、いろいろなケースで考えられますが、親御さんの考える「やってほしい」○×は、お子さんの将来を考えた事柄が多いと思います。
「子どもにやってほしいこと? そんなの勉強、もしくは習いごとに決まってるでしょ!」と即答されるかもしれませんが、簡単に結論づける前に、いま一度しっかりと考えたほうが後で困らなくなります。なぜなら、「勉強しなさい」や「習いごとを頑張りなさい」だけでは、その意味が広すぎて、実際お子さんが具体的に何をしたらいいのかが曖昧になることが多いからです。
「やってほしい」〇×を仕掛ける親御さん側が、「何となくやらせたい」くらいでは、言われている方は無視したり取り違えたりするだけです。それを避けるためにも、「やってほしい」側が〇×を明確にする必要があります。簡単な例を挙げてみます。
■「やってほしい」〇×で、曖昧に感じる箇所
「ちゃんと勉強しなさい」
――「ちゃんと」ってどのくらい? どこまで?
――「勉強」って特定の科目? それとも全科目?
――机に向かって「勉強」を試みればいい? テストで結果を出せばいい?
「ピアノを頑張りなさい」
――「ピアノ」という言葉に求められていることは? 何かの曲が弾けるまで?
――「頑張る」って休まないこと?
――勉強は、しなくてもいい?
――それとも日々の練習時間を増やすこと?
例にある表現だと言われたことの範囲が大きすぎて、達成したか否かの条件や日々やるべきことなどが「やってほしい」と言った側にしかわかりません。
そのため、お子さんは「やったのに」できていないと言われ反発する、「やったふり」をして親御さんの顔色をうかがう、「やったつもり」で勝手にやめてしまうなど、すれ違いのトラブルを数多く招くことになるわけです。
まずゲームでは、「やってほしい」ことを決して曖昧にしません。ゲーム中に「ステージをクリアするためには、ちゃんとやってね」と出されても、話が通じないでしょう。
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