原作をそのまま映画化することを拒否する勇気が必要
「“なぜいじるんだ”って決まって聞かれるんだよ。“芝居は完璧にできてると思う。映画化する時にどうしてあれこれ変えるんだ”とね。プロデューサーってものは必ず自分でその芝居を観ている。判断の分かれ目は、プロデューサーも実際にそれが完璧と思うかどうかにある。あくまで舞台としてだけどね。
だけど彼がこの仕事から少なくとも何かを学んでいれば、演劇と映画はまったく異なるものだということがわかっているはずだ。映画というのはカメラによって語られるものだ。
原作のお世話になる他のメディアよりもリアリティーが大切なものだ。難しいことだけど、原作をそのまま映画化することを拒否する勇気が必要だ。原作をそのまま尊重しすぎないようにしないといけない。とは言え、プロデューサーはいじり過ぎて壊してしまうことにも気を付けないといけないんだ」
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元来 渉
1953年、埼玉県生まれ、医師。1990年代末より、ミュージカル映画のダンスに魅せられ、研究を続ける。 2006年より2011年の間、ブログ「踊る大ハリウッド」および「踊る大ハリウッド Strikes Back」において、ミュージカル・スターの身体やダンスを中心に据えた解説、評伝を発表。
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