わが子が幸せになるためには、自立と自律を兼ね備えることが大事……幼稚園の園長として1万組の親子を見てきた、学校法人山崎学園の理事長・山﨑拓史氏による、「子どもが計画力を身につけるヒント」を紹介します。

「アンダーマイニング現象」を起こさないコツ

ですから、子ども自身が嫌がっていないことに関しては、物理的な報酬は与えないほうがモチベーションを下げずにすみます。

 

とはいえ、何もしなければ、子どものやる気に火をつけることはできません。そこで内発的動機づけを自分自身でできるように導きます。

 

例えば、「〇ちゃんがこのお手伝いをしてくれると、ママは5分ラクができるわ。その間、大好きなピアノが弾けたら楽しいな」と話してみます。子どもにはメリットはないのですが「ママを良い気分にさせてあげられる」のは非常にうれしいことです。

 

お手伝いをしないと、ママの幸せな時間がなくなってしまう。それに気づいた子どもは、ママのために、そしてママの笑顔を見て自分の気持ちがプラスになるために、お手伝いをしてくれるようになるのです。

やりたくないことはポイント作戦でクリア

子どもがしなければならないものの中には、面白くないこと、やりたくないものもたくさんあります。歯磨きや片づけ、小学校以降の学習も「やらなくちゃいけない」と、なんとなく理解しているけれど、やったからといってうれしい結果がすぐに得られず、できるならやりたくないと子どもは思っています。

 

ですから親はつい、「終わったらゲームして良いよ」「テレビはこれが終わってから」という、外発的動機づけを持ち出してしまいます。「終わったら〇ができる」というのは、頑張ったことに対してすぐにご褒美が与えられるので「短期報酬」と呼びます。

 

(写真はイメージです/PIXTA)
(写真はイメージです/PIXTA)

 

短期報酬にはタバコ、薬物、アルコール、ゲーム、ギャンブルなどのように、すぐに快感が得られるものが含まれます。並んでいる単語は、いずれも「依存症」という文字を後ろにつけられると気づきます。短期報酬が得られたとき、人の脳内では「脳内麻薬」とも呼ばれるホルモン「ドーパミン」が分泌されます。

 

人に褒められたり感謝されたときにも、喜びとしてドーパミンは分泌されますが、ゲームやギャンブルではより多くのドーパミンが分泌され、快楽刺激も大きくなります。一度刺激が与えられると、もっと、もっとと望み、これが依存症を引き起こす原因となるのです。短期報酬として子どもが要求してくるのは、たいていがドーパミンの過剰分泌を伴う刺激的なことです。

 

これを習慣にしてしまうと、他の刺激では物足りず、ゲームや映像鑑賞をしていないときには、ボーっとするようになってしまいます。では、子どもがやりたくないことをやらせるにはどうしたら良いかといえば、「長期報酬」を利用するのがおすすめです。

 

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わが子が幸せになるために必要な3つの力

わが子が幸せになるために必要な3つの力

山﨑 拓史

幻冬舎MC

探求力・計画力・実行力3つの力を育てれば人間関係も仕事もうまくいく大人になる! もっと子育てが楽しくなる育児本 我が子を初めて抱いたとき、親御さんは生まれてきてくれたことに、ただただ感動し、喜びを感じたはずで…

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