熊谷雅之氏は著書『教師は学校をあきらめない! 子どもたちを幸せにする教育哲学』のなかで日本の教育問題について語っています。当記事では、現役教師の視点からその実態を明かしていきます。

モンスターペアレントはいるのか?

学校では、子どもが問題行動を起こした場合、保護者に電話をかけたり、学校に来てもらったりすることがあります。

 

その場面を、私は大きなチャンスだと思っています。多くの保護者は迷惑をかけて申し訳ないという気持ちで来校しますが、教師にとって保護者は「仲間」なので、学校側に謝ってもらわなくてもいいわけです。

 

(※写真はイメージです/PIXTA)
(※写真はイメージです/PIXTA)

 

私は事情を説明した後、「今後同じことが起こらないように、これからは協力していきましょう」と話します。保護者と教師は手をとりあうのです。

 

また、学校に言いたいことがあって来校される場合には、まず来てもらったことに感謝して、しっかり話を聞くべきだと思います。保護者の言うことが納得できれば、感謝して改善すればよいのです。納得できなくてもその意見はその保護者にとっては「正義」なので、聞きましょう。

 

保護者の言い分から学べることが必ずあります。「クレーム」として扱うにはもったいなさすぎます。教師の方が絶対に正しいということもないのです。理不尽な要求をしてくる場合もあると思います。そこははっきり「できないことはできない」という言うべきです。

 

また、教師の想いをはっきり言うことも大切です。初めは「納得いかないことがある」と言って来校された方も、信念をもってやった教育活動であれば、教師は丁寧に粘り強く想いを伝える努力をするべきです。

 

なんでもかんでも謝って、親の言ったことを聞き入れる教師よりも、よっぽど信頼してもらえると思います。

 

一度、学校の教育活動に疑問をもった父親と話し合いになった時も、どのような想いで指導をしたのか、またどのように指導をしたのかも指導記録と照合しながら、丁寧に話しました。

 

「ここに来るまでは少し納得いかないと思っていたけど、誤解がとけたよ。先生がそんなにうちの子のことを考えてやってくれたなら納得だ。先生なかなかやるな。これからも応援するで、うちの子を頼むよ」と言ってもらったことがあります。真剣に子どもを幸せにしたいと思っていれば、必ず伝わるものだと感じました。

 

教師は保護者に説明できる教育を展開するという視点も大切です。

次ページ「子どもに教師や学校の悪口を言わないでほしい」

本記事は幻冬舎ゴールドライフオンラインの連載の書籍『教師は学校をあきらめない! 子どもたちを幸せにする教育哲学』より一部を抜粋したものです。最新の税制・法令等には対応していない場合がございますので、あらかじめご了承ください。

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