テスラ社のイーロン・マスク氏が現代の経営者の象徴?
そこで、失敗を含めながらも起業を繰り返し、総体としては事業価値や保有資産を増やしているのが連続起業家のイメージです。また、創業した会社の株式を売却して株主ではなくなっても、経営者として関与を続けながら、別の会社を起ち上げるという場合もあるので、同時に複数の事業・会社を運営することがないわけではありません。
イグジットを経ているのであれば、創業した会社から完全に離れてしまってから別の会社を起ち上げているケースではなくても、連続起業に含めて考えてよいと思います。逆に、ある会社の創業社長が、新規事業を起ち上げる際に、子会社や関連会社を設立することはよくあります。
しかしその場合、既存の会社のイグジットで得た資金で新事業を起ち上げたわけではないので、狭義の連続起業家には含めることはできないと思います。
例えば、Amazonの創業者であり現CEOであるジェフ・ベゾス氏や、Facebookの創業者であり現CEOのマーク・ザッカーバーグ氏なども、世界トップレベルの経営者ですが、それぞれの祖業の経営に関与し続けているので、連続起業家とは呼ばれないでしょう。
一方、ベゾス氏やザッカーバーグ氏などと異なり、テスラ社のイーロン・マスク氏は、何度かのイグジットを経て、より大きな事業にトライしてきた連続起業家です。
連続起業家として、時価総額が世界トップテンにランクインする企業を育てたという点が非常に希有であるため、現代の経営者像の象徴ともとらえられているのです。
M&Aイグジットをめぐる日米の差
米国では、もともとM&Aイグジットが盛んです。特に、いわゆるGAFAM(Google、Apple、Facebook、Amazon、Microsoft)やSalesforce.comなどの巨大テック企業が世界的な規模でのデファクト化、寡占化を進めた結果、テック系やコンテンツ系の企業においては、IPOをしてそれらの巨大企業と同じ土俵で戦うよりも、巨大企業に買ってもらえる企業をつくることが、起業家の主流の目標になっています。
また、株式市場から得られた多額の資金を背景に、GAFAMの企業買収意欲も旺盛で、これまでにAppleは70社以上、Googleは200社以上、Amazonも80社以上など、各社ともに多くの企業をM&A買収しています。
それらの中には、FacebookによるInstagramの買収やGoogleによるYouTubeの買収といった買収金額が数十億ドル(数百億円~数千億円)になるものから、最近話題になったSalesforce.comによるSlackの買収など、買収金額数百億ドル(数兆円)規模に上る、超大型買収案件も含まれています。
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