「お前、総理になれ」じーじワールド全開で
昨年の今頃、我が家のじーじは、コロナをコロリだと勝手に思い込んでいて、「コロリはな、大昔ヨーロッパで流行して大変な騒ぎになったんだ。俺に言わせれば何をいまさら大騒ぎをしているのかわからん」と言っていた。つい最近まで、コロナウイルスにはあまり興味がなかったようで、デイサービスで行われる定時の換気を、「まったく、最近の若いもんは、無断で窓を開けるから寒くてたまらん」と文句を言っていた。
しかし、先日、39度の熱を出し、コロナ疑惑からのPCR検査をして以来、コロナウイルス関連の新聞記事やニュースにやけに敏感に反応するようになった。新聞に掲載されているコロナ関係の雑誌の広告記事見つけては、この本を買ってくれと言うほどである。
ある晩、テレビを見ながら大好きなにごり酒を飲み、大変ご機嫌なご様子のじーじ。ニュースで首相がコロナウイルスの話しているのを見ながら
「コロナは困ったもんだ」と言っていたところまでは良かったのだが、
「しかし、あいつは、しゃべるのが下手だなあ~。主語と述語がひっくりかえってるなあ」
とテレビに向かって呟いている。何のことやら訳がわからないが、黙ってじーじの話を聴いてみることにした。
「あれはなあ、軍隊で使う言い回しだな、俺の時もそうだった」
じーじは、軍隊には入隊してない。しかし、「軍隊に入隊してないでしょう」などと言おうものならきっと「怒りん坊星人」に変身し、攻撃をくらって面倒くさいことになるのでここはひとまずスルーすることにした。
「軍隊にいたわりには、話し方に元気がないなあ」
あらまあ、菅さんが軍隊に入隊していたことになっている。
「あと、表情が変わらんのもいかんな。もしかすると病気かあ? 顔色が良くないな。熱があるんじゃないか? PCR検査したほうがいいぞ」
などと言いたい放題なのである。
しばらくテレビを見ながら、ブツブツ言っていたじーじだが、突然、
「おい! お前、選挙に出て総理になれ!!」
へ? あっけにとられる私に向かって
「だから、いいか、お前、選挙に出て総理になれ!!と言っているんだ」
「今すぐ、二階堂(二階幹事長だと思われる)に電話しろ」
へ!!! 二階堂という焼酎は知っているが、私が二階幹事長と知り合いのはずがない。
「お前は、中国のちょんぎょどん(釣魚台国賓館、だと思われる)で、二階堂(二階幹事長)と飯を食っただろ」