これからの時代に求められる、価値観の違いへの受容力
【50代から枯れる人=多様性を認めない】
価値観は人によって様々です。
あるグループでみんなお揃いのTシャツを作ってユニフォームにしよう! ということになった時に、一人の男性が憂鬱そうな表情を浮かべました。彼は個性的なファッションが好きなオシャレ男子です。
彼にとって最悪なことは、みんなと同じものを着せられて、自分のファッションを封じられることなのです。お揃いのTシャツでいつも活動することは拷問に等しいことなのです。これはひとつの事例ですが、「自分の中ではあり得ない!」の象徴的な話です。
また、もうひとつ、「自分と人の価値観がこんなにも違うものか」と思い知らされたことがあります。
私が以前、ある大手企業の幹部研修の提案をお願いされた時の話です。ご要望のスペックに合わせてかなり高名でレベルの高い講師を同伴してプレゼンをしました。そこには女性管理職がいて、「そんなことはもうわかっている」と冷たく言い放ち、もう一度企画するように言われました。
仕方なく、その講師にも丁寧にお願いをして次の週に再訪しました。その会議では、なんとその女性管理職は定刻より20分ほど遅れてやってきてまた企画書にケチをつけました。
資料を放り投げ、「もっと高い視座なのよ!」
さすがに同行いただいている講師にも申し訳ないので、「私達は御用聞きではなく、依頼されてかなり質の高いご提案をしています。一寸の虫にも五分の魂。あまりにも人として対応が失礼です」と伝えると、「時間のムダ!」と吐き捨てて部屋を出て行ってしまいました。
ホントにお口あんぐりです。優良企業から引く手あまたの講師に対して、断るにしてもマナーがあるってものです。
しかし、これも彼女の価値観の中では普通の対応のようでした。恐らくなにか他に貢献する部分があるから管理職をやっているのでしょうが、できれば一緒には働きたくないと思いました。
でもこれはそれぞれの在り方には違いがあるという典型のパターンで、社会ではこういう理不尽なことが日々たくさんあるわけです。私にとってはあり得ない対応だと感じましたが、あれが彼女のスタイルでもあるわけです。
特にこれからの時代、生きていくうえで価値観の違いに対しての免疫力が必要になります。びっくりするような人が目の前に現れても、多様性を楽しむくらいの器量が必要となります。「世の中にはいろんな人がいるもんだ」と。
「言うべきこと・言いたいこと」マネジメントの重要性
【50代から枯れる人=言うべきことを言えずに、言わないでいいことを話してしまう】
年齢を重ねていくと経験値もあがり、だんだん物のなりゆきに察しがつくようになってきます。若者が仕事の段取りもせずに手を抜いているのを見て「ああ、それでは失敗するよな」と感じるなど、無見識の人がガンガン好き勝手な理屈を主張していると、「それは大きく間違っているな」と思うことがあります。
とはいっても、ついつい、説明したり、解説したりするのは「厄介」と思い、やりすごすことが多くなりがちです。
しかし、ここは踏ん張って「言うべきこと・言いたいこと」は主張しましょう。ここはベテランならではの矜持を持って、自分のノウハウや思いを伝えておくべきです。そこをサボりだすと自己の存在意義が失われてきます。寡黙な人もある意味では魅力的ですが、自ら発信するエネルギーは失ってはいけないものです。
一方、だんだん言わなくていいことは言わない方がいいことも増えてきます。例えば、人が老けてきたこと、太ったことなどを鬼の首を取ったように指摘する人がいますが、これはやめた方がいいです。
また、あてにならない霊的な予言などは、孔子ではありませんが「怪力乱神を語らず」の姿勢がいいようです。
特に50歳以降、言うべきことを言わずに、言わないでいいことを言ってしまう傾向が強くなるので、自分の発言をマネジメントしていくことが大事です。
松尾 一也
株式会社ルネッサンス・アイズ
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