〈糖尿病〉
2型糖尿病は、血液中のブドウ糖濃度(血糖値)が高くなるために、全身にさまざまな悪影響が及ぶ病気です。ブドウ糖自体は人間が生命活動をしていくのにかかせない成分ですが、それが血液中に過剰になると、細胞や組織を傷めたり、体内のさまざまな代謝のシステムを乱したりするのです。
糖尿病は、その病名から「尿に糖が混じる病気」と思われがちです。これも間違いではないのですが、それだけではありません。糖尿病で最も怖いのは、全身の血管が慢性炎症を起こすことであり、血管がはりめぐらされているすべての臓器や組織が損傷し、合併症を起こしてしまうことにあります。
腸もれによる細菌と毒素は炎症を引き起こします。この炎症がインスリン抵抗性をきたしますが、これが2型糖尿病の本体ではないかというのです。
これまでインスリン抵抗性は肥満の脂肪細胞自体であると考えられてきましたが、肥満マウスはインスリン抵抗性をもっていなかったという実験があります。また、2012年に別のマウス実験で腸を傷害したマウスと糖尿病のマウスとの間で、インスリンに反応した点など類似点を見出しました。そして、インスリン抵抗性と炎症が強く相関すると示唆しました。
糖尿病が慢性炎症によって起こる疾患と見なされつつあります。その原因が腸もれと考えられてきているのです。
〈アテローム性動脈硬化〉
動脈硬化とは、動脈の血管壁のしなやかさが失われ、血流が滞り、血栓ができて詰まりやすくなる状態を指します。
「腸もれ」により、本来血液中に入ってはならない菌が入り込んでしまうことで起こると考えられています。もれ出た菌が血管の内壁にとどまるために、そこで炎症が起こります。すると炎症で傷んだ血管を修復しようと、血液凝固系物質やコレステロールやマクロファージなどさまざまな物質が集まり、粥状のこぶをつくり、血液の通り道が狭くなって血流障害を引き起こします。
こうした動脈硬化の初期段階からすべてのステージにおいて、血流障害が最大の要因です。血管内凝固系が亢進し血管内に血栓を生じます。さらに、「腸もれ」による細菌やその他の異物により、炎症を知らせるサイトカインが動員され、血流を通じて血管に侵入し、そこで炎症が起きて動脈硬化を進行させます。
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