老いも若きも「慢性的な体調不良」を抱えている日本人
現代の日本では、ストレスの増大、不規則になりがちな生活習慣などを背景に、「いつもどこかしら具合が悪い人」が増えています。腰痛や肩こり、頭痛など、日本では成人の4人に1人が、慢性的な痛みを抱えているとの調査報告もあります。
年を取ると誰にでもあると諦めてしまっている人も多いようですが、昨今は20~30代の若い世代や子どもでも、パソコンやスマホのし過ぎなどから、こういった不調の訴えが増えています。
痛みの他にも、疲れが取れない、イライラする、便秘や下痢を繰り返す、動悸や息切れ、しびれ、めまいなど、明確な原因がはっきりしない不調は、今やまったくないという人を見つける方が難しいでしょう。体と心はつながっていますから、痛みやつらさがあると活力を奪われます。こうした不調は、背景に慢性的な病気(慢性疾患)がある場合も多々あります。ひとたび発症するとなかなか治癒に至らない、いわゆる「持病」です。
慢性疾患の代表格といえば、糖尿病や脳卒中、がん、高血圧をはじめとする生活習慣病です。生活習慣病は自覚症状が乏しいまま徐々に進行していくのと、若い世代は自分の健康を過信し、病気の発見や治療開始が遅くなり、場合によっては生涯、その病気と付き合っていかなければなりません。
また、外部環境や食物などに過敏に反応し不調が出るアレルギーも年々、増加しており、今や社会問題にすらなっています。
国民病ともいわれている花粉症において、2016年に行った都の調査によると、都内のスギ花粉症の推定有病率は48.8%で、2人に1人は花粉症との報告があります。アレルギーもひとたび発症すると根治が難しく、大半はアレルゲン(アレルギーの原因物質)を避けながら対症療法で付き合っていかなければなりません。
人生100年といわれている時代、その大半をこうした慢性疾患とともに過ごさねばならないとしたらなんとも残念なことだと思いませんか。
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