腸から有害物質がもれ出ると、何が起こるのか?
今や日本人の70%に「腸もれ症候群」の可能性があるといわれています。「腸もれ」とは、なんらかの要因で腸の状態が悪くなり、細胞と細胞の結合がゆるんで隙間があいて、腸菅内に存在する未消化の食物や細菌やウイルスなどの有害物質が、腸から血管に入ってしまうことを指します。
腸から有害物質がもれ出る、と聞くと一大事だと思われる方が多いかもしれませんが、その先にはもっと大きな問題が控えています。
もれ出た有害物質は、血流にのって全身に運ばれていきます。本来血液は、栄養素や酸素など、生体にとって必要な物質を細胞のすみずみまで運ぶ役割を担っていますが、異物までそこに入り込み、そのまま運搬されてしまうのです。
その結果、体内の至るところで有害物質を排除しようと「炎症」が起こります。
例えば、風邪をひいた時や手足をすりむいた時、その直後にはのどが腫れたり、ひりひりしたり、傷口から膿が出たりなどの症状が出ますが、数日も経つとほとんどの場合おさまってきます。炎症と聞くとこうした現象がイメージされるのではないでしょうか。
「有害物質 vs 免疫の戦い」が炎症を引き起こす
医学的には「腫れ」「痛み」「赤み」「熱」が炎症の4大特徴とされています。いずれも不快な症状ですが、炎症自体は決して“悪者”ではありません。炎症は「免疫」の働きによるもので、ウイルスや細菌などの病原体をはじめとする、有害物質が外から入ってきた時に、それを排除したり、ダメージを受けた場所を修復したりする時に起こる現象です。
免疫細胞は、「腸もれ」によってもれ出てきた有害物質に攻撃を仕掛けます。ここで有害物質 vs 免疫の戦いが勃発し、炎症が起こるというわけです。
しかも腸には常に、食べたものが消化され流れ込んでいます。食事をしている限り、それは続きます。ということは、腸もれが起こっていると24時間、1年中、休む間もなく有害物質がもれ続けているのです。それらは血流にのり、絶えず全身をめぐっていることになります。
免疫にとっては、たまったものではありません。どんなに攻撃してもあとからあとから敵がやってくるのですから。
加えて、免疫は腸もれによって侵入してくる敵だけを相手にしているわけではありません。風邪ウイルスや食中毒を起こす菌など、口や鼻から入り込んでくるものも追い出さなければ病気になってしまいます。しかし、腸もれが起こっていると、こうした他の病原体への対応が手薄にならざるを得なくなってしまいます。
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