「民間の個人年金」「国民年金基金」得なのはどっち?
正解:節税メリットは「国民年金基金」の勝ち
この項目は、フリーランスなど、個人事業主の方に向けたものです。
つぎに比較するのは「個人年金」と「国民年金基金」です。
個人年金は民間の保険会社が提供している商品であるのに対し、国民年金基金は公的な制度という大きな違いがあります。国民年金基金は誰でも利用できるものではなく、以下のふたつのどちらかを満たしている必要があります。
①日本国内に住所を有する20歳以上60歳未満の自営業やフリーランスなど、国民年金の第1号被保険者の人
②60歳以上65歳未満の人や海外居住されている人で、国民年金の任意加入被保険者の人
民間の個人年金と国民年金は、節税効果に大きな違いがあります。結論としては、国民年金基金のほうが節税効果は高いです。
個人年金と国民年金基金は、それぞれ所得控除に影響します。個人年金の保険料は「生命保険料控除」、国民年金基金の掛金は「社会保険料控除」として扱われます。
ここで注意すべきは、「生命保険料控除には上限がある」という点です。この点が個人年金の最大のネックといえるでしょう。
個人年金保険料の支払額が年間8万円を超えると、生命保険料控除は上限の4万円に達してしまいます。つまり、8万円を超えていくら保険料を支払っても、所得控除は増えません。
一方、国民年金基金の掛金は社会保険料控除であり、こちらは上限がないので、払った分だけ節税効果を発揮できます。この点において、私は個人年金よりも国民年金基金のほうがいいと考えます。
ただし、 個人年金は民間の保険会社が設計している商品のため、さまざまな工夫が凝らされています。たとえば、病気になると保険料の支払いをストップしてくれるようなものもありますから、場合によっては個人年金のほうがありがたいというケースもあるかもしれません。