「国民年金基金の節税効果、活用を」元国税専門官のアドバイス

「確定申告するのが面倒くさい」「節税したいけど、どうしたらいいか分からない」……、毎年このような声をよく聞く。日本の税制は、納税者自ら確定申告をする「申告納税制度」で、申告内容の一部は納税者の選択に委ねられているのだ。申告相談に携わった元国税専門官が、節税にはどっちが得なのか、プロの税金術を公開する。本連載は小林義崇著『元国税専門官が教える! 確定申告〈所得・必要経費・控除〉得なのはどっち?』(河出書房新社) より一部を抜粋し、再編集したものです。

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「民間の個人年金」「国民年金基金」得なのはどっち?

正解:節税メリットは「国民年金基金」の勝ち

 

この項目は、フリーランスなど、個人事業主の方に向けたものです。

 

つぎに比較するのは「個人年金」と「国民年金基金」です。

 

個人年金は民間の保険会社が提供している商品であるのに対し、国民年金基金は公的な制度という大きな違いがあります。国民年金基金は誰でも利用できるものではなく、以下のふたつのどちらかを満たしている必要があります。

 

国民年金基金の掛金は社会保険料控除であり、こちらは上限がないので、払った分だけ節税効果を発揮できるという。(※写真はイメージです/PIXTA)
国民年金基金の掛金は社会保険料控除であり、こちらは上限がないので、払った分だけ節税効果を発揮できるという。(※写真はイメージです/PIXTA)

 

①日本国内に住所を有する20歳以上60歳未満の自営業やフリーランスなど、国民年金の第1号被保険者の人
②60歳以上65歳未満の人や海外居住されている人で、国民年金の任意加入被保険者の人

 

民間の個人年金と国民年金は、節税効果に大きな違いがあります。結論としては、国民年金基金のほうが節税効果は高いです。

 

個人年金と国民年金基金は、それぞれ所得控除に影響します。個人年金の保険料は「生命保険料控除」、国民年金基金の掛金は「社会保険料控除」として扱われます。

 

ここで注意すべきは、「生命保険料控除には上限がある」という点です。この点が個人年金の最大のネックといえるでしょう。

 

個人年金保険料の支払額が年間8万円を超えると、生命保険料控除は上限の4万円に達してしまいます。つまり、8万円を超えていくら保険料を支払っても、所得控除は増えません。

 

一方、国民年金基金の掛金は社会保険料控除であり、こちらは上限がないので、払った分だけ節税効果を発揮できます。この点において、私は個人年金よりも国民年金基金のほうがいいと考えます。

 

ただし、 個人年金は民間の保険会社が設計している商品のため、さまざまな工夫が凝らされています。たとえば、病気になると保険料の支払いをストップしてくれるようなものもありますから、場合によっては個人年金のほうがありがたいというケースもあるかもしれません。

 

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フリーライター

1981年、福岡県生まれ。西南学院大学商学部卒業。2004年に東京国税局の国税専門官として採用され、以後、都内の税務署、東京国税局、東京国税不服審判所において、相続税の調査や所得税の確定申告対応、不服審査業務等に従事。2017年7月、東京国税局を辞職し、フリーライターに転身。書籍や雑誌、Webメディアを中心とする精力的な執筆活動に加え、お金に関するセミナーも行っている

著者紹介

連載「得なのはどっち?」難しい確定申告を分かりやすく解説

確定申告〈所得・必要経費・控除〉得なのはどっち? 元国税専門官が教える!

確定申告〈所得・必要経費・控除〉得なのはどっち? 元国税専門官が教える!

小林 義崇

河出書房新社

クイズ形式で出題。ベスト・チョイスはどっちか? 青色申告or白色申告。開業届を出すor出さない。家族を雇うorパートを雇う。iDeCo or小規模企業共済。郵送で申告or e‐Tax。国税専門官として数多くの申告相談に携わった著者…

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